ファーウェイスリーコムジャパンは都内で記者説明会を開催し、国内市場に向けた戦略の発表と、新製品の公開を行なった。
米3Comの100%子会社となったファーウェイスリーコム
ファーウェイスリーコム(本社:香港、以下H3C)は、中国のHuawei Technologies(華為技術)と米3Com Corporationの合弁会社として設立されたネットワーク機器やソリューションを扱う企業だ。2003年11月に設立され、2006年11月からは3Comの100%出資子会社へと変更されている。
今回の説明会は、ファーウェイスリーコムが日本市場への本格的な取り組みを開始するにあたり、行なわれたものだ。ファーウェイスリーコムジャパン代表取締役のチン・ユウヤオ氏は、同社のR&D戦略の根幹を「IToIP」(IT on IP)すなわち、すべてのIT技術をIPネットワーク上で展開し、その際のインフラやソリューションをH3Cが提供すると説明する。また、日本市場への取り組みに関しては、24時間×365日のサポート体制など、国産ベンダーと同様の手厚いサポート体制を敷くとともに、日本市場専属の開発体制を構築し、国内のユーザーが持つ独自のニーズに対しても、迅速に対応することを表明した。
次にファーウェイスリーコムジャパン 技術本部副本部長の塩谷徹氏が登壇し、同社の戦略について説明した。塩谷氏は、現状の日本市場におけるH3Cの存在感が低い理由を「マーケティング力不足」と分析し、今後の注力を表明した。また長期的な目標としてIPネットワーク分野でのトップベンダーを目指すとし、そのためのキーとして、各種規格の標準化への積極的な参加や、3000以上の特許の活用を行なっていくという。
中期的な目標としては、WiMAXなどの無線機器や、100Gビットイーサネットのようなハイエンド製品、セキュリティ関連の統合ソリューションやトリプルプレイ(データ/音声/ビデオを1回線で提供)のソリューションなどの提供を掲げた。そして2007年のトピックとして、ギガビット/10ギガビットイーサネット、IPv6、日本市場向け製品の投入などが挙げられた。
新製品はすべてIPv6対応
今回発表された新製品は、L3スイッチのS3610シリーズ、S5500-SIシリーズ、そしてマルチサービスルーターのMSRシリーズとなる。いずれもIPv6とその上で用いられる各種プロトコルに対応している。特にMSRシリーズは、シスコのルータISRシリーズのリプレイス需要を狙い、キャリア向けの積極的な需要を狙っていくという。