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中国IT小話──「何でもアリ」の庶民派 百度が中国で支持される理由

2007年12月21日 20時30分更新

文● 山谷剛史

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 中国の検索市場におけるGoogle対百度のシェア争いが熱い。

百度中国語版

 日本においては、今年3月には中国の検索サイト「百度」(関連サイト)が日本に参入した。百度が日本市場に参入する前には、同サイトの「Spiderプログラム」がサイトへの過剰なアクセスをして、問題となり、サービス開始以降1ヵ月強の間は、アダルト画像が見られるという理由で日本からよりも中国からのアクセスが殺到し、「中国当局が日本の百度にアクセスを禁止する」という異例とも言える処置がとられた。

 百度はイメージダウンを避けられない幸先の悪いスタートを切ってしまったが、6月にはソニーの元CEO 出井伸之氏が百度の社外取締役に就任するサプライズがあった。また、サービス面でも11月には動画検索サービスを追加するなど、少しずつではあるがサービスの拡充が行なわれている。



中国人に大きな支持を得ている「百度」


 日本における百度の存在は大きくはない。しかし、本拠地である中国においては、百度は「中文検索で最も有名なサイト」と言われている。ネット利用者の誰もが認知し、しかもGoogleを上回る人気の検索サイトである。

 荒っぽい言い方だが、中国における百度とGoogleのシェアの関係は、日本におけるYahoo! JAPANとGoogleの関係に近いものがある。Google中国と百度、どちらが実際優れているのか? 中国のインターネット研究で知られる呂伯望氏が、今年6月に「百度よりもグーグルのほうが性能で優れている」というレポートを発表したが、直後に中国のネチズンから大きな反発を受けている。

表 中国における検索エンジンのシェア
検索サイト 2005年 2006年 2007年・Q1 2007年・Q2 2007年・Q3
百度 33.1% 53.3% 57.0% 58.1% 60.5%
Google 中国 13.0% 16.1% 18.7% 22.8% 23.7%
Yahoo! 中国 27.0% 15.0% 13.6% 11.6% 10.4%

 面白いことに中国においては、都市部在住・高学歴・高収入という条件が揃うほどGoogleを使う傾向にあり、その対極にある層が百度を使う傾向にある、ということが複数のリサーチ会社の調査で明らかになっている。良くいえば百度は中国庶民に優しいサイトなのかもしれない。

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