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エンタープライズ・マッシュアップも実現――日本オラクル、メディア業界への取り組みを説明

2006年12月14日 00時00分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本オラクルは12月14日、メディア業界への取り組みに関するプレス説明会を開いた。「製造」「金融」「小売」「物流」など、今秋、同社が相次いで展開してきた業界別の戦略説明会の一環。今回はインターネットサービスなどの新しいメディア業界に対する取り組みが中心に紹介された。

深まるキャリアとメディアの関係

日本オラクル システム営業統括本部 通信・メディア・公益営業本部長 関屋 剛氏

日本オラクル システム営業統括本部 通信・メディア・公益営業本部長 関屋 剛氏

 メディア業界は一般に中堅規模の企業が多く、オラクルが狙うマーケットとしてはさほど大きくないとの見方もある。だが、通信・メディア・公益営業本部長の関屋 剛氏によれば、同本部の売上のうち、20~25%をメディア業界が占めるという。

 関屋氏は、「『横断的なサービス連携・統合』『共通のサービス基盤』『NGNによる通信と放送の融合/FMC(固定と携帯の融合)』『ユビキタスを実現するデバイス』が業界のトレンド」と紹介。「業界全体が垂直統合から水平連携へと動き、インフラを担うキャリアとコンテンツを提供するメディアの関係がより相互依存性の高いものになるだろう」との見方を示す。そこでオラクルでは、通信・メディア業界に対して包括的なソリューションを提供している。

 また、通信・メディア・公益営業本部担当シニアマネージャーの高野 学氏は、業界を取り巻く課題として、「新サービスの開発・チャネル開拓」「コンテンツとメタ情報の有効活用」「ステークホルダーとの関係強化」「情報漏えい・コンプライアンス対応」を指摘。課題に対する解として、「グリッド」「エンタープライズ・マッシュアップ」「デジタルコンテンツ管理」「顧客分析」の4つが有効と訴える。

「エンタープライズ・マッシュアップ」で実現する地図サービスやケータイソリューション

日本オラクル システム営業統括本部 通信・メディア・公益営業本部 メディア営業部長 水口敦嗣氏

日本オラクル システム営業統括本部 通信・メディア・公益営業本部 メディア営業部長 水口敦嗣氏

 「新しいサービスを展開する際には、成長に応じて段階的なシステム投資を」と話すのはメディア営業部長の水口敦嗣氏。まずはオープンソースなどを利用して低コストでサービスを始め、「Oracle Real Application Clusters」やグリッドで可用性・拡張性を段階的に高めることができるとアピールする。

 また、「オラクルはオープンスタンダードな技術を用いているため、システム連携が容易」として、社内外のシステムを連携させた「エンタープライズ・マッシュアップ」のデモを行った。

 紹介されたのは、オラクル製品と他社製品を組み合わせた地図サービスの例。オラクルの「Oracle MapViewer」と、キャドセンターの3D地図配信サービス「Urban Viewe ASP」が連携し、2Dの地図をドラッグ&ドロップすると3Dの地図がこれに追随するというものだ。地図同士だけでなく、データーベース内のコンテンツを連携させ、「飲食店の情報サイトでユーザーが景色を確認したり、放送局のロケ候補地の選定などに利用可能」(水口氏)という。

2Dと3Dの地図を連携させたWebサービスのデモ。片方の地図を移動させるともう片方も追随する

2Dと3Dの地図を連携させたWebサービスのデモ。片方の地図を移動させるともう片方も追随する

 また、携帯電話のメールを使った検索ソリューション「Butler」(バトラー)も紹介された。たとえば、携帯電話のメールで「きょう カレンダー」と入力してメールを送信すると、Butlerがグループウェアのデータからスケジュールを検索し、数分後にメールで結果を返す。「Webに比べて少ない手間で目的の情報に到達でき、必要な情報をリクエストして後で閲覧できる」のがメリットだという。同様の仕組みを持つBtoCのサービスはすでに存在するが、「社内の情報システムと連携でき、自社で利用したいコンテンツを検索対象にできるのが強み」(水口氏)としている。

Butlerのデモ

Butlerのデモ

Butlerのデモ

Butlerのデモ

Butlerのデモの様子。検索したい情報をメール本文に入力し、これを送信すると数分後に検索結果が届く

 そのほか、楽天トラベルやUSENのGayoなどの複数の事例を交え、コンテンツ配信プラットフォーム「Oracle Service Delivery Platform(SDP)」、「Oracle Application Server 10g」と他社製品を連携させたDAM(デジタルアセットマネジメント)の実現を紹介。今年4月に買収した米ポータルソフトウェアの課金・請求ソリューションや、シーベルのCRMによる顧客分析もアピールし、メディア業界を支えるオラクルの豊富なソリューションを印象付けた。

■関連サイト
日本オラクル
http://www.oracle.co.jp/

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