高度に発展した科学は魔法と見分けがつかない、という言葉がある。
実際、いまの科学は昔から見れば魔法に見えるだろう。しかし、魔法といえば、ロッドの先から火を放ったり、空を飛んだり、人工的に春一番を召還してスカートめくりに勤しんだり、透視したり透視したり透視したり、気になるあの子に「ジャッジメントですの!」と言わせてみたり、道行くレディすべてをツインテールにしてみたり、ディスプレーの中の世界に飛び込んでみたりといった、文字通りマジカルでファンタジーでドリーミィなイメージが強い。残念ながら、われわれの科学ではそんな夢の域まで達していないのが実情だ。
それでも、魔法使い気分になれるガジェットがあったら楽しいよねと思う人も多いのではないだろうか? 今回紹介する魔法の杖「カイミラ」(Amazon.co.jpで価格を見る)は、そんな世界にちょっと近付けるステキなアイテム。ユニークな形状とジェスチャーで楽しめる学習型リモコンをさっそくチェックしていこう。
世界初の魔法の杖「カイミラ」
カイミラは、ハリー・ポッターに登場しそうな魔法の杖をそのままリモコンにした、イギリス生まれのガジェットだ。販売はTHE WAND COMPANY社で、イギリスでの発売は2009年。すでに6万5000本の売上実績を持つ人気製品だ。国内では今年2月のギフトショー、イギリス大使館ブースでリンクスが目をつけ、4月に同社が発売した。すでにファーストロットの1000本は完売、二次ロット4000本もなくなりそうな勢いで、5月31日現在もやや入手困難なアイテムだ。
5月25日にはイギリス大使館での発表会が行なわれ、THE WAND COMPANY社のChris Barnardo氏が開発の経緯を披露した。最初はペーパークラフトで魔法の杖を作り、TVのリモコンを後ろ手に隠して子どもの前で「魔法のようにTVを点けてみた」ところ、ものすごく喜んだのがキーとなったという。最初からリモコンとして作ろうというのではなく、魔法のような気分で扱える製品を考えていたとのこと。名前の由来は「キメラ」(CHIMERA)から取られている。アンティークなデザインと、現代技術の融合というニュアンスなのだろう。
サイズは353mm×20mm(長さ×最大直径)、重量は電池込みで約70g。駆動時間は単4電池×2本で6~8ヵ月だ。製品としては、学習リモコンに該当する。家庭にある赤外線通信で操作できる機器は、TVやビデオデッキ、ステレオデッキ、エアコンが主だろう。赤外線通信方式であれば、室内照明もオンオフが可能だ。パソコン用の赤外線受光センサーでビデオの再生もオーケー。なお、長押しが必要なキー操作と一部製品の操作には対応しない。家電というよりはおもちゃ寄りの製品なので、その辺は仕方ないといったところだ。
掲載当初、カイミラで「カンデラ」を操作できると記述しましたが、正しくは別途カンデラ専用の「魔法の杖」で操作可能となります。お詫びして訂正いたします。(2011年6月15日)
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