Android 3.0タブレットとして
一番乗りとなったMotorola「Xoom」
Motorola Mobilityが1月初めの「International CES 2011」(関連記事)で初披露したしたAndroid 3.0タブレットの「Xoom」。日本では無線LANオンリーのモデルが、KDDIから4月に発売される予定だが、発売から1ヵ月が経過したアメリカでの販売動向はあまり芳しくないようだ。
Motorolaは比較的早期からAndroidを中心に据えてポートフォリオを築いたメーカーだが、ここにきて独自OS開発のうわさも出ている。Googleが「Android 3.0(Honeycomb)」のコードは当面公開しないという方針と時期が重なったこともあり、注目を集めている(関連記事)。
まずはXoomについて。XoomはOSにAndroid 3.0を搭載し、プロセッサーにはデュアルコアで1GHz動作のNVIDIA「Tegra 2」を採用する。RAMは1GB、画面は10.1型で、カメラは5メガピクセルとハイスペックで、Apple「iPad 2」のライバルと位置づけられている。アメリカでのキャリアはVerizon Wirelessで、将来的には同社のLTEにも対応する予定だ。
Xoomは2つの点で肝入りの存在といえる。1つ目はMotorola初のタブレットという点。2つ目はGoogleがタブレット向けに開発したHoneycombを搭載した初の製品という点だ。当然、製品ローンチには高い関心が寄せられた。アメリカでの発売日は2月24日。だが、期待が高すぎたのか、これまでの販売動向は好調というわけではないようだ。Motorolaは数値を発表していないが、Verizonストアでの販売台数は「平均して1日に2台」と推測する調査会社Morgan Keeganをはじめ、Jefferiesのレポートでもこれまでの販売動向について「しらけさせる」としているようだ。
考えられる要素はいくつかあるが、まずは価格が挙げられるだろう。XoomはVerizonの2年契約つきで599ドル、契約なしは799ドルである。一方のiPad 2は無線LANモデルであれば499ドル(16GB版)、Wi-Fi+3Gモデルでも629ドルからである。単純な比較はできないが、500ドルを越えると高いと感じる消費者は多いのではないだろうか。端末そのものでも、バグが多い、アプリがクラッシュするといった辛口のレビューが少なくない。
またそのアプリの数も課題となる。上述のように、XoomはHoneycombを搭載した初代機であり、OSが新しいためアプリの種類も少ない。AppleはiPad 2ローンチ時にHoneycomb向けのアプリは約100、iPad向けには約6万5000のアプリがあるとしたが、Wired.comによるカウントではHoneycomb向けに設計されたアプリは50となっている。
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