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目黒の住宅地にあるスパコン跡地に出現!

商店街を抜けると、そこは排熱型データセンターだった

2011年02月08日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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日本ラッドは国内初ともいえる完全外気冷却を実現した排熱型データセンターの見学会を都内で行なった。PUE1.1という数値を実現する新型データセンターの取り組みとその中身を見ていこう。

野心的にもほどがある!日本ラッドのデータセンター戦略

 都内の目黒区の某所。駅前から伸びる商店街を抜けた閑静な住宅地に、日本ラッドの排熱型データセンターはあった。商用サービス向けデータセンターとしては、国内初ともいえる完全外気冷却を採用した新型データセンターということで気負って取材にむかったが、コンクリート造の3階建ての建物は一戸建て住宅の趣。データセンター事業者が一般的に利用するビジネスビルや巨大な倉庫とは大きく異なるようだ。おおよそデータセンターとかけ離れたようなたたずまいに驚きつつ、まずは隣にある建物で行なわれた見学会の事前説明に参加した。

目黒区某所の住宅地にある日本ラッドの排熱型データセンター。外見からはデータセンターとは考えにくい

 見学会の冒頭、日本ラッド 取締役社長の東郷重興氏は会社概要とクラウドサービスについて説明した。日本ラッドは創業40年を誇る老舗のシステム開発会社で、もともとはIBMのコンピュータと他社のコンピュータを相互接続する異機種間接続システムを開発していたという。

日本ラッド 取締役社長の東郷重興氏

 その後、交通管制システムや消防車向けのカーナビなど業種に特化したシステムやハードウェア、パッケージソフトの開発、基幹系・公共・金融系システムの開発などを行なっており、今回紹介するデータセンター事業はできたばかりのネットワークコンピューティング事業部で手掛けているという。東郷氏は「現在のIT業界の潮流は、やはりソフトウェアのネットワーク化が大きい。受託開発だけでは生き残っていけない。生き残っていくためには、やはりクラウドが鍵になっていく」と、昨今の動向とデータセンター事業参入について語った。東郷氏は「規模は小さいけど、行き届いたサービスを提供するように努力したい」と述べた。

日本ラッド 執行役員 ネットワークコンピューティング事業本部長 岡田良介氏

 続いて、今回見学する排熱型データセンターや同社が開発している製品・サービスについて、執行役員 ネットワークコンピューティング事業本部長 岡田良介氏が説明した。同社の戦略は、データセンター、ハードウェア、プロビジョニングシステム、分散型ストレージまでをすべて自社開発し、大幅な省電力化と原価削減を目指そうという野心的なものだ。このうち、データセンターは電力を消費する冷却システムを使わない完全外気冷却を採用する。「密閉した部屋の中にあるサーバーの熱をクーラーで冷やす従来のデータセンターは、熱交換の原理的に不利で、コストもかかる。一方、外気冷却を用いた排熱型データセンターであれば、設備の償却費と電力費の二重のコストダウンができる」(岡田氏)という。

高品質と低コストを両立させる日本ラッドの技術開発戦略

既存のデータセンターと完全外気冷却を実現する排熱型データセンター

 これを実現するため、同社が開発したのが、外気を取り込む吸気室と排出する排気室をラックで間仕切るというきわめてシンプルな構造のデータセンターだ。そして、この排熱型データセンターの効率性を試すため、NECネッツエスアイの協力のもと、同社では2009年に実験室を作り、通年でデータを収集してきた。「当初の目論見では、サーバーは熱に弱いと思っていたが、実際は寒さのほうが弱かった」(岡田氏)ということで、冬季に外気冷却で直接サーバーを冷やすと、逆に故障が相次いだという。そのため構造を一部変更し、排熱室の熱を一部吸気室に取り込む仕組みを設けた。この結果、寒さ故の故障という事態を避けることが可能になり、ようやく完全外気冷却を現実味のある技術として実証できた。そして、今回紹介された実サービス用のデータセンター構築という運びとなったという。

2階には2009年から行なわれていた実験用の施設も残っている。こちらは1段ラックのシンプルな構造だ

(次ページ、なぜこの住宅地にデータセンターがあるのか?)


 

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