「Android」「LiMo Platform」とLinuxをベースとしたオープンソースのモバイルプラットフォームが注目を集めているが、それらとは別にLinux FoundationのMeeGoプロジェクトがモバイルLinuxプラットフォーム「MeeGo 1.0」を5月25日に公開した。
MeeGoはスマートフォン、ネットブック、車載システムなど幅広い端末をターゲットとし、米IntelとNokiaがプッシュするプロジェクトだ。
MeeGoが合体するまで――「Moblin」と「Maemo」
MeeGoが最初に発表されたのは2010年2月の「Mobile World Congress 2010」だった。Intelの「Moblin」とNokiaの「Maemo」という2つのモバイルLinuxプロジェクトを合体し、一大モバイルプラットフォームを構築しようというプロジェクトだ。
ここでMoblinとMaemoのこれまでを見てみよう。
Moblinは、Intelが自社製プロセッサー「Atom」の促進を目的に立ち上げたモバイルLinuxの取り組みである。2007年にスタートし、AcerやLGなどの端末メーカーが対応を表明。Novellの「SUSE Linux」やCanonicalの「Ubuntu」がMoblinを土台にディストリビューションを作成するなどの動きがあったが、大きなブームにはいたらなかった。
主戦場になるはずだったネットブックにおいても、Windowsに加え、Googleの「Android」もこの市場に手を広げはじめている。Googleは「Chrome OS」も発表している。
一方のMaemoは、Nokiaがインターネットタブレット用に開発したLinuxベースのOSだ。Nokiaは携帯電話メーカーだが2005年に発売した「Nokia 770」を皮切りに、無線LAN接続(3Gなどのセルラー方式をサポートしない)のインターネットタブレットを3機種投入しており、Maemoはここで利用されている。
Nokiaは2009年末、その流れを汲みつつ3Gに対応した「Nokia N900」を投入した。カテゴリとしては、(インターネットタブレットではなく)スマートフォンとなり、アップルやAndroid陣営におされ気味の同社は、これまで独占的に採用してきた「Symbian OS」からMaemoを土台にすることで、モダンなUIや高機能の実現を狙った。
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