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スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典第101回

スマートフォンの元祖は実はIBMが作っていた

2018年07月29日 19時30分更新

文● 山根康宏

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 IBMといえば以前はThinkPadでおなじみのパーソナルコンピューターを手掛けるなど、コンシューマー向け製品を展開していました。しかし現在はビジネスソリューション企業へと展開を図っています。しかしこのIBMからは世界初のスマートフォンともいえる製品が登場していたのです。

20年前に登場したDOSベースでGUIが動く、元祖スマホ「Simon」

 IBMの創業は1911年。その名前を知らない人はいないほど有名な企業の1つでしょう。メインフレームなどを手掛け、その後パーソナルコンピューターが1970年代に各社から生まれると1981年に「IBM PC」を立ち上げ、本格的なPC市場への参入を図ります。IBM PCは仕様が公開されたこと、拡張性が考慮されていたことなどから互換機を次々と生み出し。わずか数年でPCのデファクトスタンダードとなります。

 「Apple I」そして「Apple II」でPC市場を切り開いていたアップルは1984年に「Macintosh」シリーズをリリース。1月に初代「Macintosh(Macintosh 128K)」を出すとき、IBM対抗を強く意識したCM「1984」をスーパーボウルで流したことは有名です。それほどまでにPCといえばIBM、という時代が長らく続いたのです。

 Macintoshの登場は、テキストベースだったPCにGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)という新しい概念を大々的に持ち込みました。とはいえディスプレーはブラウン管で入力はキーボードとマウスのみ。ストレージは磁気メディアのフロッピーディスクに頼っていたのが当時のPCでした。このPCがポータブルサイズになり持ち運びできるようになるとは夢にも思われていましたが、早くも1985年には東芝が世界初のラップトップPC「T1100」を発売。PCの小型化も進んでいきます。

 一方では1980年代に手のひらサイズにプログラミング機能を組み込んだポケットコンピューターが数多くのメーカーから登場しました。カシオやシャープの製品は有名ですし、HPやTIなどからはプログラミング電卓として高性能な製品が次々と生まれました。今は亡き無名メーカーからも有象無象の製品が多数登場したのもこのころ。またカシオが1983年に電子手帳「PD-3000」を発売。イギリスではサイオン(PSION)が「Psion Organizer」を1984年に投入するなど、モバイル製品が一気に増えていきます。

 今のスマートフォンに近いPDAとしては、1991年にサイオンがGUIベースの「Series 3」を発売。またアップルはペンで自在に書き込みが可能な「Newton MessagePad」を1993年に発売します。またHPが1991年に発売した「95LX」は小型のDOS PCとしてPDAを超える機能を持っていました。しかしいずれの製品も単体での通信はできず、PCと連携してデータを持ち運ぶ製品でした。のちに別途モデムカードを使い通信できるようになりましたが、費用もそれなりにかかりました。

 そのような時代の中で登場したのが「IBM Simon Personal Communicator(Simon)」です。

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