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Ryzen 2700Xの性能は? インテル製品とベンチ比較 おすすめPC自作レシピも紹介 (1/4)

2018年04月28日 17時00分更新

文● 宮崎真一 編集●ジサトラショータ

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 AMDは、デスクトップCPU「Ryzen」の第2世代モデル「Ryzen 2000」シリーズを4月19日に販売開始した。2017年のPC市場で大きな話題となったRyzenだが、後継シリーズであるRyzen 2000は、Zen+マイクロアーキテクチャに基づいたデスクトップ向けCPUで、開発コードネーム「Pinnacle Ridge」と呼ばれていたもの。製造プロセスがこれまでの14nmから12nmへと微細化され、改良が進んだことが大きなトピックの1つである。

 この特集では、登場したばかりのRyzen 2000シリーズの特徴などを解説するとともに、ベンチマーク結果やおすすめの自作PC構成などを紹介する。

オーバークロック周りで
大きくメスが入ったRyzen 2000シリーズ

Ryzen 2000シリーズのパッケージ。CPUと同梱クーラーによってパッケージが異なる

 Ryzen 2000シリーズのラインナップに用意されたモデルは、「Ryzen 7 2700X」「Ryzen 7 2700」「Ryzen 5 2600X」「Ryzen 5 2600」の4つ。ちなみにパッケージはPGA(Pin Grid Array)で、ピン数が1331というあたりはRyzen 1000シリーズから変更されておらず、いずれの製品も従来のX370マザーボードで動作可能だ。

Ryzen 1000シリーズからソケットやピン数などは変更されていない

 Ryzen 7 2700Xは8コア/16スレッドタイプのCPUで、Ryzen 2000シリーズの中で最上位に置かれるモデル。前世代の最上位である「Ryzen 7 1800X」の置き換えにあたる製品という認識でいいだろう。対応するプラットフォームは、こちらも当然のことながらSocket AM4だ。定格クロックは3.7GHzで、自動オーバークロック機能である「Precision Boost 2」による最大動作クロックは4.35GHzと、プロセスルールの微細化により動作クロックの引き上げが実現しているほか、CPUの温度を加味して動作クロックを制御する「XFR 2」にも対応。さらにRyzen 2000シリーズからは、型番に〝X”が付与されるモデルで、マザーボードの温度やCPUクーラーの冷却性能を見て動作クロックをさらに引き上げる「Precision Boost Overdrive」が用意されている(注:Precision Boost Overdriveはユーティリティー「RYZEN MASTER」に機能が統合されており、発売日時点では未実装)。

現状の「RYZEN MASTER」では、Precision Boost Overdriveがグレーアウトしている

 Zen+マイクロアーキテクチャでもCPUの内部構成は変わっておらず、L2キャッシュはコアごとに512KB用意され、4基のCPUコアで共有する8MBのL3キャッシュを搭載する。つまり、Ryzen 7 2700Xは8コアなのでL2キャッシュは4MB、L3キャッシュは16MBという計算だ。メモリーは、あらたにDDR4-2933までをサポートする。

Ryzen 7 2700Xのパッケージ内容物

新CPUクーラー「Wraith Prism」。LEDで発光する

 加えて、Ryzen 7 2700Xには新CPUクーラー「Wraith Prism」が同梱される。このWraith Prismは、CPUと密接する4本の6mm径のヒートパイプがヒートシンクへと熱を移し、それを直上の100mm角相当のファンで冷却するという構造を採っている。また、Prismという名前のとおり、ファンの周囲がLEDにより点灯する。

 もうひとつの上位SKUであるRyzen 7 2700は、Ryzen 7 2700Xと同じ8コア16スレッドタイプのCPUだが、型番にXが付かないことからもわかるとおり、上述のPrecision Boost Overdriveに対応していない。動作クロックも定格が3.2GHz、最大が4.1GHzと、Ryzen 7 2700Xから抑えられているのが特徴だ。なお、付属するクーラーも「Wraith Spire(LED)」へと変更されている。

Ryzen 5 2600Xのパッケージ内容物。

こちらは以前と同じCPUクーラー「Wraith Spire」のLEDなしモデルが同梱される

 続いてRyzen 5 2600Xは、6コア/12スレッドのCPU。Ryzen 5の最上位モデルで、こちらは「Ryzen 5 1600X」の置き換え対象にあたる。Ryzen 5 2600Xの定格クロックは3.6GHzで、Precision Boost 2により最大4.25GHzまで動作クロックが引き上げられる。X型番のため、Ryzen 7 2700Xと同様、Precision Boost Overdriveが利用可能だ。メモリーにDDR4-2933をサポートする点も上位モデルと変わらない。CPUクーラーは、「Ryzen 5 1500X」などに同梱されている従来モデルの「Wraith Spire」だ。Wraith Spireはアルミ製のヒートスプレッダを100mm角相当のファンで冷却する仕組みで、マザーボードにはリテンションを使わずネジ留めして固定する方法を採っている。

 同じく6コア/12スレッドのRyzen 5 2600は、Ryzen 7 2700と同様に上位モデルからPrecision Boost Overdriveのサポートが省略され、動作クロックも定格が3.4GHz、最大が3.9GHzと4GHzを下回っている。それ以外のスペックは上位モデルを踏襲しているが、付属するCPUクーラーは「Ryzen 5 2400G」などと同じ「Wraith Stealth」である。

AMD X470とAMD B450の2つのチップセットが登場
X付きRyzen 2000シリーズはAMD X470が必須

チップセットのインターフェースは前世代から大きな変化なし。

 チップセットのAMD 400シリーズは、Ryzen 2000シリーズに合わせて投入される新しいチップセット。上位モデル向けのAMD X470と、エントリーモデルの向けのAMD B450が2つ用意されている。AMD X470やAMD B450搭載マザーボードでも従来のRyzen 1000シリーズが動作可能で、逆にAMD X370マザーボードもUEFIが対応していれば、Ryzen 2000シリーズを動かすことが可能だ。ただし、AMD X370マザーボードでは、X型番のRyzen 2000シリーズを使用してもPrecision Boost Overdriveが利用できない。つまり、Ryzen 2000シリーズのX付きモデルの真価を発揮させるためには、AMD X470搭載マザーボードが必須になるというわけだ。

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