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BOXIL SaaS AWARD 2024総合一位は「DocYou」 大丸松坂屋の導入事例も披露

2024年03月05日 17時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2024年3月5日、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」を運営するスマートキャンプは優れたSaaSを審査、選考、表彰する「BOXIL SaaS AWARD 2024」の表彰式を行なった。総合一位となったのは日鉄日立システムソリューションズの電子契約システム「DocYou」。ユーザー企業である大丸松坂屋の担当者を交えたトークセッションも行なわれた。

スマートキャンプ代表取締役社長CEO 林 詩音氏と日鉄日立システムソリューションズの吉留宏和氏

導入事例やサイトのコメントを元にSaaSを表彰

 同社が「SaaSの日」を謳う3月4日に発表されたBOXIL SaaS AWARD 2024は、エントリー方式で審査する「導入事例セクション」(全10部門)、BOXIL SaaS上の口コミを元にした「BOXIL SaaSセクション」(全99部門)、BOXIL SaaS質問箱の「高評価」数をもとに選出した「BOXIL SaaS質問箱セクション」の3セクションで構成。各セクションの部門1位の中から総合1位を選出し、その証として「Best SaaS in Japan」の称号を付与するという。

 導入事例セクションは、スマートキャンプの審査委員が審査し、全9部門での一位が発表された。BOXIL SaaSセクションは全99部門で一位が発表され、BOXIL SaaS質問箱セクションではカオナビが優秀回答部門を受賞した。詳細は同社のサイトを参照のこと。表彰式では、導入事例セクション、SaaSセクション、SaaS質問箱セクションなど各部門の一位に表彰状が授与された。

導入事例セクション全10部門の一位

 そして、BOXIL SaaS AWARD 2024総合1位は日鉄日立システムソリューションズの電子契約システム「DocYou」となった。同社は導入事例セクションで大企業部門の1位となっており、大丸松坂屋百貨店での導入事例が大きく評価された。表彰式の後半では、DocYouを提供する日鉄日立システムソリューションズの吉留宏和氏と、導入企業にあたる大丸松坂屋百貨店の佐藤隆氏が登壇し、導入の経緯を語った。

 小売・卸売業はDX化率が低く、今後も実施しないという企業も多い業界。大丸松坂屋も例に漏れず関心は低かったが、コロナ禍でDXやテレワークの機運が高まり、データ利活用やデジタル人材育成とともに、ペーパーレス化を進めることになった。年間1万件を超える販促のタイミングで、同意書の締結など大量の事務作業が発生しており、これをデジタル化するために2022年に導入されたのがDocYouになる。

PCを持たない現場からの抵抗は大きかった

 DocYouは複数の企業間にまたがる電子契約、電子取引、書類配信、ドキュメント管理を1つのプラットフォームで提供する。大丸松坂屋がDocYouの採用に踏み切ったのは、取引先に負担をかけずに導入できそうだったから。「取引先あっての電子契約。取引先にお金がかからず、ワンストップで導入できそうだった」と大丸松坂屋の佐藤氏は振り返る。

大丸松坂屋百貨店 業務本部 業務改革部 部長 佐藤隆氏(手前)

 導入までの期間はおおむね半年。DocYouを提供する日鉄日立システムソリューションズの吉留氏は、「本来やりたいことはなにかをお客さまといっしょに考えていった。すべてシステムでカバーできるわけではないので、前後の運用まで含めてどうするかを半年間かけて検討した」と語る。

 導入効果としては、取引先との契約締結の約半分がDouYouとなり、事務作業時間も半減。郵便代や印紙税の削減にも貢献しているという。とはいえ、PCを持たない小売現場での導入は抵抗も大きかったため、取引が見える化でき、接客や企画に時間を当てられるようになるというメリットをアピールしつつ、説明会もまめに行ない、導入に努めたという。最近では、各組織で推進責任者を任命し、利用動向などを配信しているという。

 同社は2026年までに完全ペーパーレスを達成する計画。佐藤氏は「DocYouを小売業にどんどん拡げ、業界のプラットフォームにしてほしい。そのためにも、欲しい機能はどんどんリクエストしている」と語る。これについてモデレーターを務めたスマートキャンプ 取締役執行役員COO 阿部慎平氏も、「成長し続けるのがSaaSの価値なので、リクエスト重要ですね」と応じた。

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