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ネットワーキング担当GMのジョナサン・デイヴィッドソン氏がネットワーク戦略を説明

ネットワーク管理をMerakiに統合するシスコ、目指すのは「シンプル化」

2023年04月13日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 シスコシステムズは2023年4月11日、米EVP 兼 ネットワーキング担当GMのジョナサン・デイヴィッドソン氏の来日に合わせてメディアラウンドテーブルを開催した。デイヴィッドソン氏はシスコのネットワークとクラウドの戦略全体についてアップデートを行った。

重要なキーワードとして、デイヴィッドソン氏は「シンプル化」を掲げた

米シスコ エグゼクティブ バイス プレジデント 兼 ネットワーキング担当ゼネラル・マネージャーのジョナサン・デイヴィッドソン(Jonathan Davidson)氏

CatalystをMerakiで監視可能に

 現在はインフラの改革が求められており、そこではシンプルにしていくことが重要だ――。デイヴィッドソン氏は繰り返し「シンプル」を強調した。その背景には、インフラの複雑化が加速している状況がある。

 「コロナ禍でIPインフラの重要性が再確認された。一方で、フロントエンドはパブリッククラウド、バックエンドはプライベートクラウドや別のパブリッククラウドにあるなど、インフラの複雑化も進んでおり、問題が発生した場合に原因を特定するのが難しくなっている」(デイヴィッドソン氏)

 シスコは幅広い製品ポートフォリオを展開しているが、シンプル化のために現在フォーカスしているのは「統一された体験」の構築だ。

 「シスコは企業のワイヤレスネットワーク、キャンパスインフラ、プライベートとパブリックの両方のデータセンターの間を接続しているが、統一された体験を提供することでシンプル化を進め、デジタル変革の加速を支援する」(デイヴィッドソン氏)

 具体的な対策として、同社のクラウド型ネットワーク管理サービス「Meraki」を中核に据えて、これまでバラバラだったプライベートデータセンター、Wi-Fiネットワーク、スイッチなどの管理プラットフォームを統合させている。

Merakiを通じてCatalystのモニタリングや管理を可能に

 まずは、オンプレミスの管理プラットフォームとクラウドプラットフォームで共通した外観を作成した。オンプレミスのCataylst製品群をMerakiのクラウドプラットフォームに適用できるようにする作業も進めている。2022年6月には、一部のCatalyst製品の監視をMerakiで行う機能の提供を開始した。この4~5年の間にDNAライセンス付きのCatalystスイッチを購入した顧客は誰もが利用できるようになっており、「顧客の受け入れも順調だ」と語る。将来的にはCatalystの管理をクラウドベースに進めていくという計画だ。

 なおデイヴィッドソン氏によると、実際のCatalystの管理には「DNA Center(DNAC)」を用いるとのこと。大規模なシステムの場合は、MerakiとDNACを併用し、使い分ける“階層化された管理構造”を持つことができると述べた。

SASEの「シスコ+ Secure Connect」やIoTの取り組みは?

 Merakiを活用したユニファイド体験に加えて、ネットワーク可視化の「Cisco ThousandEyes」によるWAN監視の取り組みも紹介した。シスコ社内で進めていたWANの問題を判断するアルゴリズムの開発プロジェクトに、2020年に買収したThousandEyesを組み合わせることで、WAN、さらにはインターネットにおける問題の確認も可能になるほか、予測される課題に対する解決を提案するなどの機能も持たせるという。

ThousandEyesを通じてWANのパフォーマンスを監視し、問題を確認

 セキュリティ領域のSASEでは、2022年に発表した「Cisco+ Secure Connect」を紹介した。Merakiのダッシュボードを拡張し、SASEベースのソリューションを管理できるようにしたもので、ワイヤレススイッチング、アクセスルーティング、UTMなどを管理できる。「共通のダッシュボードを利用してSASEソリューションをプロビジョニングすることもできる」とデイヴィッドソン氏は説明した。

MerakiダッシュボードからSASEを管理できる

 さらに今年2月には、Catalyst SD-WANソリューションでも利用できるように。「MerakiプラットフォームとCatalyst SD-WANプラットフォームの両方で、共通のSASE管理機能を利用できる」という。

 IoT領域では、自動運転などの「モバイルIoT」、工場など産業用途の「インダストリー4.0」の2分野での取り組みを紹介した。

 モバイルIoTでは、「シスコはコネクテッドカーの通信管理プラットフォームにおいてナンバー1」(デイヴィッドソン氏)とする一方で、自動車市場全体で見ると「現時点ではまだ10%しかインターネットに接続されていない」とも語る。今後、2030年までにはすべての自動車がインターネット接続されるという予測を紹介して「新たにユニークなサービスを提供できる大きなチャンスのある市場」だと述べた。

 「インダストリー4.0」領域については、カスタマイズした製品を大量かつ高速に生産する“マスカスタマイズ”を実現するために、ネットワーク接続、堅牢なデバイス、そして堅牢なスイッチやルーターが不可欠だと強調する。シスコでは、混在するOTのレガシープロトコルの安全化に取り組んでおり、OTに特化したダッシュボード機能も提供していると紹介した。

 「OTはまだ(ITとは)別に管理されている。物理的なインフラの観点だけでなく、工場内にどのような脆弱性が潜在しているのか、すぐに対策を講じる必要があるのかなど確認できるように統合している」(デイヴィッドソン氏)

OT向けのクラウド管理ダッシュボード「Iot Operations Dashboard」

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