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JOIF 2022ピッチ、石灰石の素材ベンチャーTBMが最優秀賞

Japan Open Innovation Fes 2022「JOIF STARTUP PITCH 2022」

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 2022年9月27日、eiicon主催の日本最大級のオープンイノベーションオンラインカンファレンス「Japan Open Innovation Fes 2022(ジャパン オープン イノベーション フェス) 2022(以下、JOIF)」が開催された。

 初開催から6年目の今回は大企業からスタートアップまで、さまざまな規模の企業が集結。イノベーションの共創を加速させるべく、キーパーソンたちによるセッションやピッチコンテストが行われた。本記事ではスタートアップ5社が登壇した「JOIF STARTUP PITCH 2022 featuring Mixalive」の模様を紹介する。

 当ピッチでは共創パートナーとして名乗りを挙げたVC、決済者が審査員となる。50社による書類選考と予選会を勝ち抜いたスタートアップ5社に対して「興味あり」、「組みたい」、「出資したい」の札を上げ、その場で共創判断を実施する。審査員にはテレビ東京「田村淳のTaMaRiBa」でMCを務める田村淳氏も参加した。

石灰石を資源とした素材ベンチャー、株式会社TBMが最優秀賞を受賞

田村淳氏(左)と最優秀賞を受賞した株式会社TBM 大場健太郎氏(右)

 最優秀賞を手にしたのは、石灰石を資源とした素材ベンチャー企業の株式会社TBM。TBMは何百年も挑戦し続ける時代の架け橋となる会社として「サステナビリティ革命」の実現を目指す。主な事業は2つ。ひとつは石灰石が主原料の「LIMEX(ライメックス)」をはじめとする環境配慮素材を用いた製品開発よ、2つ目はリサイクルプラントのプロデュースと運営する資源循環ビジネス「MaaR(マール)」だ。

 今回のピッチでは「MaaR」に焦点を当てた。ピッチをした資源循環イノベーション部部長の大場健太郎氏によれば、サーマルリサイクルを含めると日本のプラスチックごみの約7割が焼却処分されているという。背景として多くの事業所や工場が各地に散らばっているため、ラストワンマイルの物流コストが大きく、資源循環の経済合理性にハードルがある現状を挙げた。また、製品を提供する会社と、廃棄やリサイクルをする会社が異なる点も、資源循環が進まない要因であると述べた。

 これらの問題が引き起こす世界的な課題に対し、「MaaR」は3つのソリューションを提供する。枯渇リスクのある資源の保全、海洋へのプラスチックの流出抑止、リサイクル率の向上だ。具体策のひとつとして、自社でリサイクルプラントの建設、活用する。リサイクルプラントを中心とした独自のサプライチェーンの構築、マッチング、 最後に個々の場所で定額の資源循環のコーディネートサービスを提供する。この3つを用いて経済合理性を担保する。

 さらに主力素材の「LIMEX」を提供することで環境配慮型の製品開発をサポートし、回収からリサイクル、再生商品のプロデュースまで一気通貫する。このサービスは「MaaR for business」としてパッケージ化され導入事例もある。ESGトレンドのキャッチアップや採用を含む対外PRと地球規模の課題への貢献が両立する構図だ。同社は2050年に25兆ドル規模になるといわれているサーキュラーエコノミー市場へ挑戦する。大場氏は「世界中のあらゆる場所で資源保全に対応した製品やサービスが利用され、リサイクル活用される世界をつくる」と語った。

 また最優秀賞の受賞にあたって、大場氏は「MaaRをはじめとした事業はさまざまな方と協業することで実現できると考えている」と述べた。

 続いて、残る4社のピッチを紹介する。

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