今回の撮影時、まだ6月なのに「なに、この暑さ」と思ったらいきなり梅雨明け宣言で、不用意に出歩いたら熱中症で倒れそうな昨今なんだけれども、夏が予定よりずっと早く来てしまったので、毎年恒例の夏バテならぬ“にゃつバテ”猫、いっちゃうのである。
まずは、5月末に最高気温30度を超えた日の猫から。
とにかく、この日は暑かった。2022年初の真夏日である。午前中の仕事を終え、せっかくだからカメラを持って散歩しようと、とあるお寺に行ったら日陰でへちゃっとしてる、にゃつバテ猫を発見。
いつもなら猫がとことこと歩いてるようなお寺でも、真夏の昼間は話が別。猫も昼間は動きたくないので、人が入ってこなくて狭くて風通しがいい日陰を見つけてじっとしてるのだ。それが猫の生きる道。そんな猫を見つけてしまったのだ。でも起こしては悪いので、そーっと隙間から。いやもう日が暮れるまではそっとしといてくれって感じなのがまたよし。
その後、梅雨が始まり、気温もそれなりに下がり、雨が降ったり降らなかったりした6月であるが、下旬になるなりいきなり暑くなったのである。チョットマテ、梅雨はどこへいった、夏が来るにはまだ早いぞ、てな東京の最高気温が32.6度に達した日のことだ。
とあるお寺の井戸端で暑そうにしてる猫がいた。人にすごく慣れてて、近づいてもいっこうに気にしない。井戸端にある段ボール製の猫ベッドに収まってる様は、ローアングルで見ると、暑くて水風呂につかって涼んでるみたいに見えていい。ここ、屋根があって日陰で井戸端で涼しい場所なんだろう。
あまりに気持ちよさそうなのでアップで。
この日、自転車で散歩してたら、にゃつバテ猫にまた出会った。日陰で四肢をうにょんと伸ばし、おなかを地面にぺたっとつけた放熱ポーズで暑さをしのいでる猫だ。
さらに、にゃつバテ猫が好むのは車の下である。常に日陰だし、ガレージの場所によっては風がすーっと抜けるし、人にも見つかりづらいのだ。関東が梅雨明けしたという日。東京の最高気温は35.7度だったという日だ。
買い物の帰り、車の下に猫がちらっと見えたのでぱっとカメラを取り出し、車の下を撮れるよう、モニタを開いて上に向け、地面に寝転がってる猫の目の高さで撮ろうとした途端、「アチッ」。低い位置で撮ろうとしたばかりに肘を炎天下のアスファルトにつけちゃったのだ。いやぁ、やけどするかと思った。
そのときのカットが冒頭写真だ。「なんだよっ」て感じでこっちを見てる。めちゃきれいな写真だけど、車の下にいるのだ。炎天下の猫は、車の下で耐えるのである。
最後の1枚も、そんな6月末の炎天下、車の下にいる猫。顔に「暑くてたまらん」って書いてある。
かくして、6月も終わらないのに梅雨が明けてしまったおそろしい2022年であるけれども、みなさま熱中症に注意しつつ生き延びましょう。もちろん猫も。外の猫は動き回って涼しい場所をなんとか見つけるけど、室内だと動ける範囲も限られるので、長く家をあけるときは部屋の温度が上がりすぎないよう、お気をつけあれ。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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