ちょいと景気づけにレンズを買ったのである。2021年9月に発売されたシグマの「90mm F2.8 DG DN」。ミラーレス用単焦点レンズとして人気の「Iシリーズ」で、すでに24mm、35mm、65mmとすでに3本持ってたのだが、4本目を買ってしまったのだ。
それがもう手にしてびっくり。小さいのは知ってたのだけど、APS-Cサイズ用と間違ったんじゃないかというくらいのサイズなのだ。ソニーのα7Cにつけていつでも持ち歩いてくださいって感じである。
レンズを買ったらその足でぶらぶらと散歩。新しいレンズを手にしたら、すぐ試し撮りしたくなるよね。歩いてたらとあるマンションの片隅に猫ハウス発見。ちょうど管理人さんっぽい人がいたので、ひとこと断って敷地に入らせてもらい、覗き込んで見るとくつろいでる猫発見。2匹いるそうだけど、この日出会えたのは1匹だけ。ちょいと顔が見えたのでご挨拶である。
さらにぶらぶらと脚を伸ばす。1kmほど先に数年前に人なつこい猫がいた路地があったなあというのを思い出したのだ。
あのときは白猫が2匹いたけどまだ元気でいるだろうかと行ってみると、1匹だけいた。猫と同じ目線にカメラを置き、猫瞳AFさんよろしくって感じで撮る。
たまたま近所の人が出てきたので聞いてみると、2匹とも元気ですよ、実は3匹いるんです、夕方には猫ボランティアの方が餌をあげにくるので集まってくると思いますという。そうか、元気だったか。よかった。
中望遠レンズって被写体との距離感が遠すぎず近すぎずのいい感じに出るのがいい。特にこのレンズとボディーの組み合わせはコンパクトなので猫がカメラを意識しすぎない自然な感じになる。
そして、もっと猫とたわむれたい欲が出てきたので、おなじみの「保護猫シェルターQUEUE」へ遊びにいく。こういう場所で90mmはちょっと望遠すぎるかなと思ったのだけど、あえて90mm一本で挑んでみた。絞りはF2.8に固定してシャッタースピードは猫たちの様子に合わせて変えながら撮る、ってんで最初に撮ったのが冒頭の1枚だ。
レインボーカラーの猫トンネル(猫ってこういう筒が好きだよね。うちの猫も模造紙を丸めただけの筒があっても喜んで出たり入ったりする)で遊んでた黒白の子猫。足先の白靴下が可愛い。顔の上半分が黒いってのが仮面をつけてるようでちょっとカッコいいのである。
このレンズ、中望遠ながら50cmまで寄れるので猫の表情を捉えるのにもいい。いい顔してるーと思ってレンズを向けてたらちょうど鼻をぺろっと舐める瞬間を撮れた。
さらにどこまで顔をアップで撮れるかなと近寄ってみると、ちょうどこのくらい。ここまで寄ると背景も大きくぼけてくれて猫の顔だけがふわっと浮いてくれる。
最後は一触即発写真。ほかのお客さんが猫とおもちゃで遊んでたのである。当然何匹かの猫が反応するんだけど、この2匹と来たらおもちゃを無視して互いににらみ合いをはじめたのだ。このおもちゃで遊ぶのは俺だ、いや俺だ、っとなってしまって無視されてるおもちゃという絵面がちょっと面白い。
というわけで、携帯性が高くて写りもよいこのレンズ、猫撮りにオススメです。バッグの片隅に放り込んでいけるサイズなので2本目のレンズとして常備するのもよし。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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