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サーバー構築不要で1ユーザー月額300円、中小規模の企業でも導入しやすく

NEC、顔認証PCセキュリティサービス「NeoFace Monitor クラウド版」発売

2021年07月20日 10時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NECは2021年7月20日、同社の顔認証エンジンを使用したPCへのログオン機能をクラウドサービスとして提供する「NeoFace Monitor クラウド版」を販売開始した。専用サーバー構築不要で、1ユーザー/1カ月あたり300円(税抜)の価格設定となっているため、中小規模の企業でも導入しやすい。また、「Microsoft 365」「Google Workspace」といったクラウドサービスとのシングルサインオン(SSO)化もできる。

「NeoFace Monitor クラウド版」のサービス概要

 NECの生体認証「Bio-IDiom(バイオイディオム)」の中核技術である顔認証AIエンジン「NeoFace」は、NIST(米国立標準技術研究所)の顔認証技術ベンチマークテストにおいて、2009年以降、5回のナンバー1評価を得るなど、認証精度や検索速度の面で高い評価と実績を誇る。NeoFace Monitorは、この顔認証エンジンを使ってPCへのログオンやロック解除といった機能を提供するもので、これまではオンプレミス版(パッケージソフト版)を提供してきた。

 今回のクラウド版では、Windows PCに専用ソフトウェアをインストールするだけでこのNeoFace Monitorの機能を利用できるクラウドサービスを提供する。ユーザーは、PC内蔵カメラに顔を向けるだけでログオン/ロック解除することができる(顔認証にパスワード認証を加えた二要素認証の設定も可能)。また、一定時間ごとに顔認証を実施する「常時認証機能」を備えており、本人離席中の不正利用などを防ぐ。

 顔認証を使って、業務クラウドサービス(SaaS)のSSO化を行う機能も提供する。リリース時点では、Microsoft 365、Google WorkSpace、Cybozu.com(サイボウズ Office/Garoon/kintone)の各SaaSについて動作確認済みとなっており、今後もSAML規格に準拠するSaaSとの連携を拡大していくとしている。

 管理者向けには「管理ポータル画面」が提供され、Webブラウザで利用者情報の管理や認証ログの確認が行える。なおユーザーの顔情報登録は、社員証等の写真を使った管理者による一括登録も、ユーザー自身による個別登録も可能。さらに専用ソフトウェアはユーザー自身でPCにダウンロード、インストールできるため、管理者の作業負担を減らせる。

NeoFace Monitor クラウド版の管理ポータル画面(利用者情報管理、認証ログの画面)

 NeoFace Monitor クラウド版の利用開始時には最小10名分、かつ12カ月分のライセンス購入が必要。ユーザー1名/1カ月あたり300円(税抜)という設定のため、最小構成時(10名、12カ月)のライセンス希望小売価格は3万6000円となる。ただし、追加/継続分のライセンスについては、ユーザー1名単位、1カ月単位で購入できる(1名あたりの価格は同額)。

 発表の中でNECでは、100名規模で利用する場合のクラウド版とパッケージ版(ボリュームディスカウント版ライセンス、およびサーバー購入費用や保守費など含む)のコスト試算を示している。5年間利用した場合、クラウド版が180万円、パッケージ版が398万5600円となり、クラウド版の利用でおよそ54%のコスト削減につながるとしている。

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