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AI天気で性能をチェック、エアフロー効率が高く安定動作

Ubuntu 18.04を採用しXeonとRTX 3090搭載、ディープラーニングに最適なPC「DEEP-TXAB-XW21-XAX」を試す!

2021年06月08日 11時00分更新

文● 株式会社Spectee CDO 岩井清彦 編集●八尋/ASCII

提供: ユニットコム

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GeForce RTX 3090搭載、メモリーはECC付きで安全運用

 まずはハードウェアの構成をみていこう。DEEP-TXAB-XW21-XAXに搭載されているXeon W-2223は、Cascade Lakeマイクロアーキテクチャーの、ワークステーション・サーバー用途向けCPUだ。メモリーはECCつきを選択できるため、セキュリティーや安全運用という面で、XEONは秀でている。

 DEEP-TXAB-XW21-XAXのメモリーも、上記に示したとおりECCつきメモリーの32GB構成となっている。後述するが、DEEP-TXAB-XW21-XAXはLinuxを動作させるので、32GBメモリーあれば十分な大きな処理も余裕こなせる容量といえるだろう。

 ストレージは、高速動作を意識して、NVMe対応のM.2 SSDとなっている。通常の業務用途ではSSDが飛んでしまうということはよほどのことがない限りないので、この構成でもまったく問題はないが、せっかくXEONを積んでいるワークステーションなので、あとからRAID構成を組むのもありだ。

 そして、GPUはGeForce RTX 3090を搭載している。このGPUは、ハイエンドゲーミングパソコンのGPUに搭載されていることも多いが、DEEP-TXAB-XW21-XAXではゲームではなく計算リソースとして利用する。

 ディープラーニング用のマシンは、大量の計算リソースとして大きなGPUを搭載する必要がある。それは、ディープラーニングの各種フレームワークやライブラリーがGPU処理前提で作られているからだ。

 本来はTeslaのような計算専用のGPUを組みたいところだが、Teslaはそれ本体だけで3桁万円いくので、ディープラーニング、HPCを手軽にやってみたい、あるいは、本番環境ではなく、開発マシンとして使いたいというニーズには、RTX 3090を搭載したDEEP-TXAB-XW21-XAXはうってつけだといえる。もちろん、RTX 3090を積んでいるので、より本格的なディープラーニングタスクをこなせるだけの余裕はある。

スッキリしたデザインでエアフローもグッド
空きベイも豊富で拡張性も高い

シンプルな外観で前面にインターフェースはない

背面のインターフェースは豊富

 続いて、DEEP-TXAB-XW21-XAXの外観についてチェックしていこう。外観の最初の印象は、「とてもシンプル!」だった。通常のデスクトップパソコンでは、スイッチやら、USB端子やらが前面に露出しており、それ自体がデザイン化されているため、ゴツゴツとした印象がある。DEEP-TXAB-XW21-XAXに採用されているPCケースは、スイッチ類は筐体と同じ素材でできており、ぱっと見ではスイッチがどこにあるかもわからない。

 一方USB端子やヘッドフォン、マイク端子は、ケース上部についており、すっきりとした印象を受けた。

上側の外観 各種端子がついている

 USB端子が上部に設置されているため、机の下に置いて上部のUSBからキーボードやマウスをつなぐといった使い方ができるので、どちらかというと、机の上に置くというよりは、机の下に置くことが使いやすいのではないかと感じた。

 もちろん背面にもディスプレイ用の端子であったり、USB端子があるので、拡張性はまったく問題はない。

 内部もみていこう。このケースは、最近流行りの後ろで配線する作りになっている。そのため、中身の確認や、ちょっとしたハードウェアの増設はとてもしやすい。また、エアフローもかなり意識した作りとなっており、外気を取り込みやすいようにケースに空気のインテーク用スリットが全体についている。

 そして、ストレージと電源ユニットは一番下に配置されており、かつ、メインボードとはエアフロー的に切り離されているのもポイントが高い。マザーボード、GPUボードの冷却用ファンは3つもケースに取り付けられているため、熱暴走の心配もないだろう。

 3.5インチのストレージエリアは、一番下に配置されているが、2.5インチのベイは、マザーボードの裏側につけるようになっている。3.5、2.5各種3つずつの拡張ストレージベイが備えてあるが、メインストレージはM.2 SSDでベイは空いているため、十分なベイ数だといえる。

 また、電源をつけた時に驚いたのが、静音性だ。ディープラーニングマシンはGPUを多く使うため、冷却ファンがうるさい傾向にあるのが普通なのだが、通常のパソコンと遜色ない静音性である。マザーボード、GPUを冷やすためのファンが合計3つ、電源、ストレージを冷やすファンが1つついているためだろう。

 ちなみに、弊社Specteeのオフィスに置いてあるディープラーニングマシンは、ラーニングを始めると、ファンが高速でぶんまわり、オフィスにいる誰もがマシンの異常ではないかと思うほど大きな音が出る。

 外観の全体的な評価としてはシンプルで、デザイン性重視の筐体というよりは、質実剛健な筐体になっており、内部の拡張もしやすく使いやすいワークステーションとなっている。そのため、通常のオフィスに置いておいてもまったく違和感がないのはとてもいい。もちろん、ワークステーションサーバーとしてオフィスの裏においてもまったく問題ない。

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