猫瞳AFさえあれば猫の不意の表情も撮影できる!
前回に引き続き、Nikon「Z 5」で猫を撮る話。Z 5の猫瞳AFを、街の地域猫たちで活用するのだ。AFをカメラ任せにできると、その分猫と対話できる……気がする。写真を撮るって、撮影者と被写体のコミュニケーションと同時に撮影者とカメラのコミュニケーションでもあるのだが、カメラがこちらの意図を汲み取ってくれるとその分被写体とのコミュニケーションにちょっと力を割ける。
たとえば猫の手前に障害物があると、それを避けてちゃんと猫に合わせなきゃって思うけど、そこに神経を使わなくて良くなるのだ。
この時に使ったレンズが24-200mm f/4-6.3。高倍率ズームレンズだ。これがなかなかいいのである。近くのネコは広角側で、遠くの猫は望遠でと1本でサッと使い分けられる便利なズームで、そこそこコンパクトなのに描写力がしっかりしているのだ。昔、高倍率ズームレンズは便利だけど写りはいまひとつ、ってイメージだったのだけど、進化しているのだなあ。
そして、Z 5のもう一つのポイントは、背面モニターが「チルト式」であること。最近はバリアングルモニターのカメラが主流だけど、あれって地面に寝っ転がってる猫を撮る時、モニターを横に開いて回転させるという2ステップが必要なのだよね。しかも、モニターが横にはみ出るのでストラップに引っかかったりちょっと構図を合わせにくかったりするのだけど、チルト式はサッと開くだけなのだ。ちゃんとレンズの光軸とモニターが一致してるので撮りやすい。
そして撮ったのがこれ。残暑厳しい午後、見知らぬ街を散歩してたらガレージの車の下でゴロンと転がってる猫と出会ったのだ。で、カメラを向けたら「ん? なんだ?」って感じで頭を上げてこちらを見た瞬間、猫瞳AFが仕事をしてビシッと合わせてくれたのである。
とっさに目にピントが合うのでシャッターチャンスを逃さない。で、撮らせてくれてありがとねって感じでちょっと遠ざかろうとすると、車の下からのそのそと出てきてこちらへ近寄ってくるではないか。なんと人懐こい猫だったのである。その証拠が冒頭写真。いきなり目の前でゴロンと転がってこのポーズ。特に前足がたまらん。そんな無防備でいいのか、って感じ。
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