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MacのCPU変更がついに発表! 「WWDC 2020」特集 第25回

macOS Big Surレビュー「iPadOS化」とは言わせないmacOS独自の進化

2020年09月07日 09時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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 Big Surの正式リリース前に、誰でも参加できるパブリックベータプログラムが開始されている。今回は、新しい時代のmacOSのルック・アンド・フィールを中心に、実際に使ってみて気づいた範囲で機能の変化についてもレポートする。次世代macOS Big Surには興味があるが、自分のマシンパブリックベータ版をインストールするのはちょっと気が引けるという人は、新しいmacOSのリリースに備えて予備知識を得るための参考にしていただきたい。

 なおここではでは、パブリックベータ版のバージョン11を使用した結果に基づいて記事を作成している。ベータ版のバージョンが進んだり、やがて公式リリースされた際には、ここで取り上げた内容と異なる部分が出てくる可能性は十分にあるので、その点はご承知おきいただきたい。

※本記事は取材に基づく特別な許可のもとで掲載しています。

「アイコン」は脱フラット風デザイン

 macOS Big Surパブリックベータ版(以下単にBig Sur)を起動して、最初に目に飛び込んでくるのは、Dockに並んだアイコンだ。これまでとちょっと雰囲気が違うだけで、それほど大きくは変わっていないものもあるが、まったく違ったデザインになるものもある。その中で、これまでと最も大きく変化するのは、Launchpadのアイコンだろう。

macOS CatalinaのLaunchPadアイコン

macOS Big SurのLaunchPadアイコン

 これまでは、ロケットをかたどった丸いものだったが、Big Surでは角の丸い正方形の枠の中に、やはり角の丸いさまざまな色の正方形が9つ整列したデザインになっている。ある意味、このLaunchPadのアイコンの変化が、それ以外のアプリも含めた今回のアイコン全体の変更を象徴していると見ることも可能だ。というのも、新しいアイコンは、さまざまな色をベースにした角の丸い正方形の枠を持つものに統一されるからだ。実際にLaunchPadを起動して、標準インストールされているアプリのアイコンを見てみれば、それもはっきりする。

macOS Big SurのLaunchPad上のアプリ一覧

 これまでのmacOSアプリのアイコンは、時代の異なるさまざまな伝統を引きずったものが混在していて、統一感に乏しかった。たとえば初期からある左斜に傾いた長方形や正方形の枠の中に描かれたものや、ある時期に主流だった円の枠の中に描かれたもの、枠が正立した正方形のもの、そして何も枠がない、自由な形状のものなど、バラバラだった。

 その不統一感は、サードパーティのアプリがもたらしたものではない。アップルの純正アプリだけを見ても、まったく統一感を欠いていたのだ。アップル純正アプリも、まだBig Surに正式対応したものはリリースされていないが、App Storeから基本的な純正アプリをダウンロードして使うことはできる。試しにPages、Numbers、Keynote、そしてiMovieをインストールしてみたが、Big Sur用アプリの統一感のあるアイコンと比べると、不統一感が目立つ。

 アイコンデザインの基本方針の変更は、枠の形状だけにとどまらない。中身の表現にも新たな傾向が見て取れる。一言で言えば、これまでフラットで抽象的な雰囲気だったものが、立体的になり、それなりに具象的になっている。それは論より証拠、新旧のFaceTimeのアイコンを比べてみれば明らかだろう。CatalinaのFaceTimeのアイコンも、枠の背景やカメラの意匠に微妙なグラデーションが付いてはいるものの、ほとんどフラットだ。それがBig Surでは、背景のグラデーションも強くなり、カメラの立体感も増しているのがはっきり分かるだろう。

macOS CatalinaのFaceTimeアイコン

macOS Big SurのFaceTimeアイコン

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