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カート耐久レース「2020 K-TAI」参戦で、モータースポーツのすべてを味わった!

2020年08月15日 15時00分更新

文● 鈴木ケンイチ 写真●クラブレーシング 編集●ASCII

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借りてきたエンジンが絶好調だったが……

 ところがスタートしてみると、予想外のことが起きた。なんと順位を上げているのだ。実は壊れてしまったエンジンは、あまりパワーがなく、端的に言って遅かった。ところがどうだ! 借りてきたエンジンは速いのだ! 最初のドライバーから2人目に交代。順位は30位(82台中)ほどで安定。これまでにない好位置だ。そして3人目のドライバーとして、筆者がマシンに乗り込む。

 確かにパワフルだ。低回転から力があり、他のマシンにも追いつく。しかし、ぶっつけ本番ということもあり、思うようにタイムアップしない。その理由は走っていてもわかっていた。ドライバーである筆者自身が、速さに対応できていなかったのだ。だがラッキーなことに、少し自分よりも速い他のマシンのスリップストリームを使うことができた。速いマシンについていくことで自己ベストを更新。同じマシンのドライバー内でも2番目のタイムが出た。これはうれしかった。そして10周ほどの短いスティントをこなし、次のドライバーへバトンタッチ。無事に役割をはたすことができたのだ。

 ところが、良かったのはそこまで。続く、第4走者が痛恨のコースアウト。しかも再始動できずに立ち往生。結局、運営スタッフのトラックによる回収となってしまった。ちなみに、K-TAIはコースアウトしても回収後に走れれば、そのままレースに復帰できる。幸いにもピットに戻ってきたマシンには損傷はほとんどなし。再始動できなかったのは、暑さによる燃料のパーコレーション(混合気が過濃になりエンジンの再始動が難しくなる現象)だったようだ。ドライバーもケガがなくて、チームみんなでほっと胸をなでおろす。第4走者のミスは攻められない。なぜなら、明日は我が身。誰にでも失敗はあるのもの。そうしたリスク込みがレースなのだ。

残念なことにコースアウトしたときにエンジンがストール。再始動できずに運営トラックによる回収を待つことになった

3台のマシンを走らせるためチームで1つのピットを使用。ピットの裏にテントを設営して、そこで食事などをした

 しかし、回収から再スタートまで30分以上かかってしまい、順位はほとんどビリ近くまでダウン。後は、まさに敗戦処理のような内容となってしまった。また、レース自体も終盤にコース上にオイル漏れが発生して、セーフティカーが先導するパレードラン状態に。それが30分ほども続き、そのままフィニッシュとなった。

レースのすべてを体験できる耐久レース
大変だけど、終わったあとの達成感は格別!

 言ってしまえば、これがレースというもの。勝つときもあれば負けるときもある。今回は、運がなかったというわけだ。しかし、こんなアマチュアによるエントリーのレースではあったが、そこにはレースの基本すべてがあった。マシン、チーム、バトル、勝利の予感と挫折。なかなかうまくいかないこともあわせて、それがレースの魅力なのだ。

 そんなレースの魅力が濃縮されたカートレース。興味を持ったらぜひチャレンジしてもらいたい。

コロナ対策として装備類の置き場所を個別に決めたり、こまめな除菌を実施するなど、出来得る限りの対策を実施した

筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 

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