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スマホ2機種を投入のシャオミ 不適切動画への対応含め、日本市場への本気度を再び語る

2020年05月30日 00時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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不適切動画や公式ショップ問題への対応

───ただ「Redmi Note 9S」に関して、海外向けに公開したプロモーション動画が日本での原爆投下を連想させる内容だとして批判を集め、御社は謝罪文を掲載するに至っています。一連の経緯と日本に対する考え方、今後の対応について教えてください。

Steven Wang この件に関しましては、不快感を与えてしまい本当に申し訳なかったと思っており、反省しています。弊社での動画の審査プロセスに不足があったため、こうした事態に至ってしまいました。

 原因の1つは、元々海外向けのプロモーション動画だったこともあって日本側への確認が来ていなかったこと。2つ目は新型コロナウイルスの影響で、いつも動画制作を発注しているグローバル企業ではなく、中国国内のエージェンシーに依頼したのですが、その会社がシャオミの考えを理解していなかったこと、そしてもう1つは、動画の審査時期が中国での連休のタイミングと重なり、審査が不十分なまま公開となってしまったことです。

 動画の内容は本当のシャオミの想いではないのですが、弊社の取り組みが悪かったのも事実です。そこでこの問題に関して、弊社ではまず動画制作の責任者と国際部門の担当者を処分し、動画を制作したエージェンシーとも解約しました。

 さらに今回の出来事を受け、内部審査委員会も立ち上げました。PR内容に対して審査を通過しなければ公開できないよう、今までできていなかった厳しいプロセスを取ることで再発防止に努めたいと思います。

───日本市場での取り組みに関しても、2020年3月に楽天市場に公式ショップをオープンしましたが、その後トラブルが続き休業中です。いつ頃の再開を予定していますか?

Steven Wang 楽天モバイルは弊社とほぼ同じタイミングで日本市場でのサービスを開始していますし、弊社はECのチャネルを非常に大事にしている。それゆえ楽天は弊社にとってとても大事なパートナーであり、今回投入する2つの新製品はいずれも楽天モバイル(MNO)のSIMをサポートしています。

 ただ販売に関して、消費者にもっともいい体験を提供したいと思っているものの、現段階でその準備ができていない状況です。それゆえ、現時点でショップの再開時期について答えることはできません。何らかの方針が決まり次第、発表したいと思います。

早くもauからの販売にもこぎつけたシャオミ
製品ラインアップの広さ、日本市場への柔軟な取り組みが強味

───日本の消費者は、製品の品質やサポートに対する目が厳しく、要求水準が高いと言われています。サポート面ではどのような点に力を入れているのでしょうか。

Steven Wang ユーザー体験は弊社にとって非常に大事なものです。弊社はユーザーの口コミから販売を広げてきただけに、もし製品に対する批判があれば、その周囲の人にまで弊社の悪い印象が広がってしまうと考えています。

 弊社は参入後よりコールセンターでのアフターサービスを提供しており、高い満足度が得られているようです。加えて弊社では、消費者のSNSに向けたフィードバックもすべてチェックしており、SNS利用者のコメントにある改善点などもすべて確認、対応するようにしています。それぞれのチャネルや国内パートナーからの要求に応えられるよう、取り組んでいきたいと考えています。

───その一方で、参入から1年未満で大手キャリアの一角となるau(KDDI)へのスマートフォン提供を実現したことには驚きがありました。

Steven Wang あくまで弊社からの観点ということになりますが、競合他社には実現できない弊社ならではのアドバンテージが、その要因となったのではないでしょうか。

シャオミはau(KDDI)の5Gスマートフォンラインアップの1つとして「Mi 10 Lite 5G」を提供。参入1年未満のメーカーが大手キャリアからの販売を実現するのは異例のことだ

 1つは今年だけで既に10種類以上の5G端末を投入するなど、製品のカバレッジが広いこと。2つ目は、弊社は日本向けではなくグローバル向けに端末を開発しており、その分スケールが大きいことから、部品を提供するサプライヤーへの要求が通りやすく、より安い値段で提供できることです。

 そして3つ目は、日本市場へ柔軟に対応する方針を取っていることではないでしょうか。日本市場からの要求を、私から弊社で直接研究開発を統括するトップの者に直接伝え、日本市場のために対応してもらうようにしています。

───今後の取り組みに関して、SIMフリー市場向けに5Gスマートフォンを投入する予定はありますか?

Steven Wang 結論から言いますと、2020年度は4Gのみの製品投入になります。オープン市場の要求に応えるには、4キャリアそれぞれに割り当てられた5Gの周波数に対応する必要があり、今年中の対応は難しいと考えています。来年、再来年にはキャリアと一緒に、5Gが利用できる環境を作ることができるよう取り組んでいきたいですね。

───また参入時には炊飯器など、スマートフォン以外の製品もいくつか投入していました。それらの新製品を日本に投入する計画はありますか?

Steven Wang スマートフォン以外の製品を日本でも出せるよう頑張りたいですが、弊社は日本ではまだ若い会社なのでスマートフォンに注力し、そこから少しずつ他の製品も頑張っていきたいと考えています。

シャオミは日本参入に際して炊飯器やスーツケースもラインナップして話題となったが、当面はスマートフォンに集中する考えのようだ

───ありがとうございました。

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