実際に新しいバージョンのWindows Terminalを使ってみた
前述したようにWindows Terminal Preview v.0.3は、Microsoftストアアプリから入手できる。すでにインストールしていたユーザーは、もう自動的にアップデートされていると思われる。
まず、Windows Terminalの起動だが、アプリ実行エイリアスが定義されており、wt.exeでコマンドラインから起動が可能だ。
GitHubのソースコードを見るとコマンドラインオプションなどの処理が垣間見えるので、将来的にはオプションで挙動を変更できるように計画しているようだが、いまのところ公式の発表はない。
wt.exeを起動するとWindows Terminalが新しいウィンドウとして起動する。いまのところ、別々のウィンドウとして開いたタブを1つのウィンドウに統合することはできなさそうだが、タブで切り替えるよりも別々のウィンドウになっていたほうが便利なこともある。そういうときにwt.exeを実行させれば、別ウィンドウでWindows Terminalが開く。いっそタブ表示をやめてしまってもいいかもしれない。
なお、画像指定などで、profile.json内でパスを指定するとき、以前の記事で紹介したようにパス区切りには、「¥¥」(逆スラッシュまたは円マーク2つ)を使う。しかし、それ以外に「/」(スラッシュ単独)でもパス区切りとして認識してくれる。また、Windowsで標準的な「%userprofle%」(ユーザーフォルダーへのパスを示す)といった環境変数を使う表記は利用できないようだ。
この%によるユーザーフォルダー指定を入れてしまうと、Windows Terminalが起動できなくなることがある。その場合、ユーザーフォルダーのAppData(隠しフォルダー)の中にある
%userprofile%¥AppData¥Local¥Packages¥Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe¥RoamingState
にprofile.jsonファイルがあるので、これを削除するか、移動させてから起動するといいだろう。WindowsTerminalは、ここにprofile.jsonがない場合、デフォルト設定からprofile.jsonを作成してここに配置する。
背景や背景色をプロファイルごとに変えておくと区別がしやすくなる。
多数のウィンドウを開くならタブも便利だが、数枚程度なら別々にウィンドウになっていてもいいかもしれない。いまのところ、起動時にprofileを指定することができないため、デフォルトのprofileのみしか起動できないが、cmd.exeを起動できれば、wslもpowershellもあとからウィンドウ内で起動できる。
こうなると、昔のコンソールと同じだが、タブで多数のセッションを切り替えるよりも、意外にこっちのほうがしっくりとくるのは筆者が古い人間だからだろうか。
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