ファンへの供給電圧を5V、12Vにした際のCPU/GPU温度をチェック
スイッチでファン回転数を変更、高い冷却性能で安定安心のゲーミングPC
2019年04月16日 07時00分更新
確かに12Vのほうが冷えるが、5Vでも十分な冷却性能を確保
試してみたのは、CPU性能を測るベンチマークソフトの「CINEBENCH R20」と、ゲームベンチの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチ)の2つ。どちらも定番となるものだがマシンへの負荷が高く、冷却性能をチェックするのに向いている。
先に結果を書いてしまうと、5Vでも12Vでもほとんど温度に変化はない。比べてみればわずかに12Vのほうが優秀ではあるのだが、Core i5-9600KとGeForce GTX 1660の組み合わせであれば気にする必要がない程度の差しかなかった。それだけG-Master Mace H370の冷却性能が高く、しっかりとパーツを冷やしてくれるという証左といえるだろう。これだけ冷えるのなら、スペックを高くした構成でも安心して使えそうだ。
話を元に戻し、検証結果を見ていこう。まずは「CINEBENCH R20」を使ったCPU温度の変化から。温度は「HWiNFO」を使って読み取り、「CPU Package」の値をグラフにしている。
「CINEBENCH R20」はCPUにかなりの負荷がかかるテストなのだが、CPU温度はどちらも65度にもならず、低い値で推移。テストが終わると一気に40度くらいまで下落するという傾向までそっくりだ。ただし負荷が止まった後、アイドル時の温度差はやや大きくなり、風量の大きい12Vのほうがより冷えるという結果になっていた。
一般的な利用であれば5Vでも温度は気にならないが、数時間から数日といった長時間負荷がかかる用途、例えば動画編集や数百枚単位のRAW現像、CGレンダリングといったものであれば、12Vにしておくとより安心して使えるといえるだろう。
続いて、ゲーム中の参考となる「FF15ベンチ」でのCPUとGPUの温度変化を見ていこう。こちらも「HWiNFO」を使って「CPU Package」と「GPU Temperature」の温度を読み取り、グラフ化した。
CINEBENCH R20と同じくCPU温度に関してはあまり違いがないが、GPU温度では意外と差が出ている。とくに気になったのが、12Vではほぼ横ばいの頭打ちとなっていたGPU温度が、5Vではわずかとはいえ右肩上がりで、温度はピークに達していないと考えられる点だ。長時間負荷が続けば、さらに温度が上昇する可能性がある。
といっても、5VでもGPU温度は65度を超えたくらいでまだまだ余裕がある状況だ。変化率を見てもかなりなだらかになっているため、このまま70度を突破することがあるとは考えにくい。そういった意味では、5Vでもほぼ問題ないといえるだろう。
ちなみに12Vの方が温度上昇が速くなっているが、これはビデオカードが冷え切らないうちにテストをしてしまったことによるもの。センサー温度で35度を切るまで待ってからテストを始めたのだが、まだ冷え切っていなかったようだ。
ミドルクラスどころかハイスペック構成でも安定した動作が期待できる
スペックを自分好みにカスタマイズして購入できるのがBTOパソコンのいいところだが、そのカスタマイズによってバランスが崩れ、熱による性能低下や故障へとつながってしまっては意味がない。その点G-Master Mace H370は基本構成で素性がよく、多少のスペックアップであればまったく問題ない冷却性能があるのが魅力だ。
スペックを抑え、5V設定でファン回転数を低くして静音パソコンとして使うのもいいし、12V設定でしっかりと冷やし、CPUを強化した動画編集、ビデオカードを強化したハイスペックゲーミングパソコンとして使うのも自由。カジュアルゲーマー向けのゲーミングマシンとなっているものの、カスタマイズ次第でどうにでも化けてくれるのが最大の魅力。使い勝手のいい、拡張性に優れたパソコンがほしいのであれば、選んで損のない1台だ。