日本でAndroidスマホといったら「Xperia」! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。
ハイエンドと同等のカメラ機能を搭載
Xperia Z3 compact
「Xperia Z3 compact SO-02G」は、2014年後期に「Xperia Z3」と同時期にドコモから発売されました。
コンパクトというジャンルに絞ると、2014年夏に発売された「Xperia A2 SO-04F」から半年しか経過していませんが、実質的にはマイナーチェンジモデルで、その1年前の「Xperia Z1f SO-02F」からはフルモデルチェンジと言えます。
ディスプレーは、前モデルXperia A2の4.3型から4.6型へとやや大型化したものの、解像度は720×1280ドットと変わらず。幅広い色再現領域を持つ「トリルミナス ディスプレイ for mobile」や、低解像度の映像を質感やディテール感のある動画にする高画質エンジンの「X-Reality for mobile」、センサーにより外の明るい場所などでディスプレーを明るくっきりと表示する自動調整機能を搭載しています。
スペックは、SoCがSnapdragon 801(2.5GHz、クアッドコア)、メモリーは2GB、内蔵ストレージは16GB。本体サイズは、約65×127×8.6mm、重さは約129gとまさにコンパクト。
デザイン面ではバックパネルは強化ガラスに、サイドには樹脂系素材を採用し透明感のあるフレームになりました。また、カラーバリエーションは、ホワイト、グリーン、オレンジ、ブラックの4色をラインナップ。
背面のメインカメラは、一般のコンパクトカメラと同等サイズの1/2.3型の約2070万画素イメージセンサー・Exmor RS for mobileを採用。焦点距離25mm、F2.0の明るく広角撮影ができるGレンズと、画像処理エンジンBIONZ(ビオンズ) for mobileといったソニーのカメラ技術は引き続き使われています。
重ねあわせして撮影する「プレミアムおまかせオート」により、最大ISO12800にまで対応し、薄暗いところでもノイズを抑えて明るく撮影でき、撮影時に保存するタイミングをあえて遅らせてフレームを解析するインテリジェントアクティブモードにより、ブレを防いでなめらかな動画が残せます。また、コンパクトモデルながらも4K動画撮影にも対応しています。
最大3台のXperiaで撮影できる「マルチカメラ」や、メインカメラとフロントカメラを同時に撮影して被写体と撮影者を記録にのこす「フェイスインピクチャー」、3Dオブジェクトとペンをつかって写真や動画を加工できる「ARファン」、そのほか「スイングパノラマ」「タイムシフト連写」「背景ぼかし」「サウンドフォト」「Live on YouTube for Xperia 」など多彩なカメラアプリが用意されていました。
ハイレゾも楽しめて
ノイズキャンセルも可能
エンタメ機能としてはハイレゾ音源にも対応し、本体のヘッドホン出力から専用のハイレゾ対応ヘッドホンを直接つなぐだけで聴く事ができます。
周囲の騒音を最大約98%カットする「デジタルノイズキャンセリング機能」も搭載し、周囲の騒音を低減して、より音楽や動画に集中して楽しめます。ディスプレーの上下にスピーカーが配置され、横向きにすると左右からのステレオスピーカーとして再生。ソニー独自のバーチャルサラウンド技術「S-Forceフロントサラウンド」にも対応して、小さなボディーでしっかりした音を堪能できるのです。
そのほか、IPX5/8相当の防水性能とIP6X相当の防塵性能や、充電用のマクネット端子も健在。 インターフェースは左側面の上下のカバーをはずしたところにmicroUSB端子とmicroSDスロット、SIMカードスロット、SIMカードのトレイという構造。
本体右側面に、Xperiaの象徴と言える金属の電源ボタンとボリュームボタン、カメラボタンという定番の物理キー。イヤホンジャックやストラップホールも備わっています。
バッテリー容量は2600Ahとなり、独自のSTAMINAモードを設定することで、アプリの待機時の電池消費を抑えて、よりバッテリーを長持ちさせることも可能。災害などの緊急時には、必要最低限の機能のみ動作させて待受状態を長持ちさせる「緊急省電力モード」備えています。
片手でも入力しやすい「片手モード」や入力ミスも補正して予測する機能を備えるXperia独自のキーボード「POBox Plus」が便利。横向きになって意図せず画面が回転するのを防ぐ「スマート画面回転」、画面をタッチせずに着信を受けたり着信音を消せる「スマート着信操作」、手袋をしたままでも操作できる「手袋モード」など、Xperiaならではの機能が充実しています。
ただし、フルセグやドコモ独自の「NOTTV」は非対応です。
Xperia Z3 compactは、ポケットに入れてもかさばらず持ちやすく片手でもカンタンに操作できるコンパクトさをもちながら、カメラやオーディオ機能などフラッグシップモデルと同等機能を持ち合わせた魅力的なモデルでした。
この連載の記事
-
第97回
デジタル
ソニーの技術力を結晶させた「Xperia PRO-I」は今後のXperiaの方向性を示している -
第96回
デジタル
コンパクトプレミアム「Xperia 5 III」はSIMフリーも登場し、シリーズの中核的存在 -
第95回
デジタル
ミッドレンジXperiaでは初の5G対応「Xperia 10 III」 -
第94回
デジタル
ソニーの技術を集結! ワンソニーをついに体現できた「Xperia 1 III」 -
第93回
デジタル
Xperiaで初めて5Gミリ波に対応したプロ向けスマホ「Xperia PRO」 -
第92回
デジタル
今でも現役で使えるスペック&持ちやすさが魅力の「Xperia 5 II」 -
第91回
デジタル
トリプルカメラへと進化したミドルレンジXperia「Xperia 10 II」 -
第90回
デジタル
5G対応でα譲りのPhotography Proモードが初搭載された「Xperia 1 II」 -
第89回
デジタル
スペックはミドルクラスながらもソニー独自の性能が楽しめる「Xperia 8」 -
第88回
デジタル
コンパクトな握りやすさとハイスペックを両立させた「Xperia 5」 -
第87回
デジタル
ターゲットを絞った戦略に舵を取った「Xperia 1 Professional Edition」 - この連載の一覧へ