オープンスタンダード戦略に
舵を切ったIBM
プロトタイプの構造は不明だが、少なくともIntel 8085をベースとしたものだったことだけは間違いない。開発チームはSydnes氏がリーダーとなって作業したそうで、この12人は“the Dirty Dozen”と呼ばれた。
1ヵ月後の1981年8月、ワイヤラッピングで作られたプロトタイプによるデモとともに、Lowe氏は詳細なビジネスプランをCMCに提示する。そのプランの骨子は、徹底したOpen Standard戦略である。
PCの普及には広範なアプリケーションが必要である。IBMは基本となるハードウェアこそ作れるとしても、ソフトウェアまでは手が回らない。仮に手が回ったとしても必要なソフトウェアを開発するのには膨大な時間がかかる。
であれば、外部のソフトウェア企業に積極的にアプリケーションを作って販売してもらう必要があり、そのためにはシステムの構成からスタートして必要な情報をすべてオープンにすることで、ソフトウェアベンダーがアプリケーションを開発しやすくする必要があるとLowe氏は説いた。
実はこれ、Apple Computerのビジネスモデルであった。Appleは(多分にSteve Wozniak氏の趣味という気もしなくはないが)やはり内部情報が公開されており、これもあって非常に多くのハードウェア/ソフトウェアベンダーのエコシステムが構築されていた。
Lowe氏はこれにならったわけだが、そのAppleはMacintoshで逆にクローズドシステムの方向に舵を切っているので、なかなか世の中難しいものである。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第896回
PC
Arm自社設計「AGI CPU」の全貌、10-wideデコードと2ダイ構成で見せた優等生的な実力 -
第895回
PC
IBM ZがArmを取り込む衝撃! 次世代メインフレーム「z18(仮)」のネイティブDual-ISA戦略の狙い -
第894回
PC
AMD「Ryzen AI Embedded X100」のリアルタイムAI制御が、Jetsonの弱点であるCPU性能を突く -
第893回
PC
インテル製GPU「Crescent Island」の正体、容量480GBメモリーでエージェント型AIとKVキャッシュ問題に挑む -
第892回
PC
Hot Chipsで明かされた「Wildcat Lake」の全貌 Foverosを捨てMCPを選んだインテルの舞台裏 -
第891回
PC
謎多き次世代Xeon「Diamond Rapids」を解剖、3D Meshの進化と新命令セットAPXがもたらす変革 -
第890回
PC
Samsung「SF2P」の全貌! GAA最大の弱点であるPMOS性能低下を克服し、TSMC追撃へ準備万端 -
第889回
PC
なぜ巨大チップは歪んで壊れるのか? SK HynixのHBM4「MR-MUF」とTSMCのCoWoS-Lを襲う熱膨張の罠 -
第888回
PC
NVIDIA Rubin Ultra開発中止の真相! 180層CoWoS-Lの歪曲トラブルと、急造ラックNVL576に透ける苦肉の策 -
第887回
PC
AIなしではもはや限界 TSMCが明かすメモリー開発にAIが不可欠となった現実 -
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 - この連載の一覧へ











