スマホとSIMは完全分離すべきなのか
11月19日、内閣府に設置された規制改革推進会議が「規制改革推進に関する第4次答申」を取りまとめ、安倍晋三総理大臣に提出した。そのなかで、モバイル(携帯電話)市場の競争環境についても触れられ、端末代金と通信料金の「完全分離」を促すよう整備すべきだと記されている。
この「完全分離」がスマホ業界に波紋を広げている。
某海外メーカー担当者は「完全分離が導入されたら、日本のスマホ市場は崩壊しかねない」と懸念する。日本でスマホが普及した背景にあるのは、「実質0円」やキャッシュバックによって、端末代金の負担を感じることなく、ハイスペックなスマホを手に入れられたという背景が大きい。
完全分離が徹底されれば、端末代金に対しての割引は一切なくなり、新しく機種を買う際には、端末代金そのままの値段で購入しなくてはならない。10万円以上するような機種であれば、購入に尻込みし、いままでの機種を使い続けるあるいは、安価なスマホで我慢するという人が増えるだろう。
政府としては、通信料金と端末代金を完全に分離し、端末への割引をやめさせる代わりに、その原資で通信料金を値下げさせ、菅官房長官が掲げる「4割値下げ」を実現しようという腹づもりなのだろう。
しかし、一般的なユーザーが「完全分離」を求めているのか、はなはだ疑問なところもある。
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