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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第16回

いまは再編過程にあるのではないか:

アップルはiPadとMacをどう変えるのか

2018年10月16日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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 iPhoneが堅調な成長を見せる中、iPadとMacはそれぞれ厳しい状況を経験してきました。iPadは2014年から長らく低迷を続けており、2017年の廉価版iPad発表によって販売台数を持ち直しています。しかしMacは新製品投入の遅れから最も厳しい状態に置かれています。

 2018年の残りの3ヵ月、それぞれのプラットホームにとってどのような明るい兆しが現れるのでしょうか。

●低迷しながらも持ちこたえていたiPad、没落するMac

 まずはIDCの世界のタブレット、PCの出荷台数を参照してみましょう。

 2018年第2四半期、世界のタブレット市場は販売台数3300万台でしたが、実にその1/3にあたる1150万台をアップルのiPadが占めています。シェアは34.9%に上り、近年では最大となりました。タブレット市場自体は各四半期ごとに10%程度の縮小が続いていますが、アップルは拡大を続けていることが分かります。

 アップルはiPhone同様にタブレット市場でも価格が高い製品に属し、より多くの利幅を確保しています。そのアップルが最も多くの販売台数を占めていることから、引き続きタブレット市場をコントロールしていくことがわかります。

 一方、Macの2018年第3四半期の出荷台数は476万2000台と前年同期比11.6%減で、エイサーに追い抜かれて第5位に転落。PCメーカー上位5社で唯一前年同期比からのマイナス成長を記録する結果となりました

 アップルは、キーボード問題などで主力のMacBook Proのアップデートが遅れたこと、エントリーモデルとなるMacBook、MacBook Air、MacBook Pro 13インチタッチバーなしモデルの更新の遅れ、iMacやMac Proといったデスクトップ製品の更新がまだないことなど、新製品投入が全体的に遅れているため、販売台数を落としていると分析できます。

 市場が縮小しているのはタブレットもPCも同じですが、その中で着実に1位の地位を固めているiPadと、良いところがないMacは対照的に映ります。

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