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IoT展示会でフィギュアが話し、電球で情報を得る時代を見た!

IoT&H/W BIZ DAY 6 by ASCII STARTUPの展示レポート

連載
IoT&H/W BIZ DAY 6 by ASCII STARTUP

ASCII STARUP企画イベントが開催!

 9月14日、ASCII STARUPが企画、運営するIoTとハードウェア企業によるビジネスマッチング型カンファレンス「IoT&H/W BIZDAY 6 by ASCII STARUP」が開催された。

 本稿では、展示会場の模様をレポートする。

完成度が高い、スピーカーや電球

 キスソニックスは、HDMIでの出力に対応した3Dサウンドスピーカーを展示。小型サイズのモジュールをスピーカーに組み込んでおり、2ミックスのステレオ音源に、コンサートホールのような広がりを持たせている様子を披露した。

キスソニックスで展示されていたスピーカー

 オーディオ機器としてだけでなく、車載転用なども含めて、広く販売して行きたい考えがあるとのこと。

スピーカーに内蔵されているモジュール

 TeNKYUブースでは、アプリ経由で機能を変更できるスマート電球「TenKYU」を展示。例えば、天気予報と連携させ、雨が降るときは青に光らせるといった使い方が可能になるとのこと。現在は、専用のアプリのデータベースの情報を参照する形式を検討しているそうだが、いずれは、ユーザーの好みに応じた任意のサービスと連携させることも予定しているそう。販売価格は、8000円から9000円ほどを計画している。

TeNKYUは光の色で情報を得られるデバイス

大人気、フィギュアと会話ができるアイテム

 パルスポッツのブーツではフィギュアとの会話を可能にする台座「STARGE」を展示。専用ツールで会話パターンを記録できる台座で、例えば、「おはよう」と話しかけると「おはよう」と返す、などの設定を事前に専用ツールから設定しておくと、まるでフィギュアが挨拶をしてくれるかのような演出が可能。

フィギュアと会話できるSTARGE

 こちらはすでに複数の企業と、製品の取り扱いに関する協議を進めているとのこと。実売価格は3万円前後を見込んでいるという。

クリエイター向けのかっこいい効率化ツール

 デザインや制作に関わる来場者から大きな注目を集めていたのはBRAIN MAGICの「orbital 2」だ。もともとイラストレーターをしていた社長が考案したデバイスで、USBでPCと接続する。円形の物体から細長いスティック状のコントローラー(オービタルエンジン)が伸びており、傾けたり、押し込んだりして操作する。

orbital 2は、試作を何十台も重ねて完成したという

 ソフトウェアの仕様に応じてさまざまなショートカットを割り当てることが可能。担当者によれば、orbital 2を使ってコンテンツを制作することで、制作時間を大幅にカットできるのだという。すでに、プロのスタジオで実証実験をしており、クリエイター陣からも好評を得ているそうだ。発売時期などは未定だが、実売価格は3万円前後になる見込み。

PCとUSB接続して使う

AnchorZ、独自の認証方式を披露

 AnchorZのブースでは、認証システム「DZ Security」を展示。ユーザーの生体器官(指紋や虹彩など)に加えて、補助認証情報(例えば、スマートフォンを持つ高さや、角度、持ち方のくせ)などを掛け合わせ、サービスやアプリの利用中、耐えずバックグラウンドで認証をし続けるというシステムだ。

複合的に認証をするシステムは、認証が取れなくなるとすぐに操作ができなくなる

 従来のログイン方式は、ロックの認証さえ突破できてしまえば、以降はデバイス内のデータを自由に操作できてしまう可能性があったが、DZ Securityなら、認証が通らなくなった時点で、操作を一切受け付けなくすることも可能。

 実際に試用させてもらったが、ブースの担当者は操作できるのに、筆者に持ち替えた途端にディスプレーがフリーズし、また担当者に持ち帰ると、操作できるようになるという様子が確認できた。

 DZ Securityは10月末からSDKとしての販売が決まっているとのことで、将来のスマートフォンやタブレットには、今よりもさらに強固な認証システムが組み込まれるのが当然になるのかもしれない。

注目度高かったビッグローブのIoTデバイス

 ビッグローブのブースではAndroidを搭載したIoTデバイス「BL-02」を展示。BL-02は、LTE通信機能とGPS、加速度センサーを備えるAndroid 6.0デバイスで、Androidの開発ツールでアプリケーションを作成し、ユーザーの用途に合わせてカスタマイズができる点がウリ。

Androidを搭載したIoTデバイス「BL-02」

 4月の発表時点でもASCII.jpで取材記事を掲載し、複数の企業との協業が進んでいることをお知らせしたが、発売以降もさまざまな企業と提携し、ソリューション形式での販売をしたりと実績を積み重ねているそうだ。IoTデバイスがビジネスの現場で活躍していることをしっかりと認識できるブースだった。

新たな企業との提携も進んでいるという

電極メーカーがIoT化に意欲

 アイ・メデックスは生体電極メーカー。ブースではさまざまな電極を展示していたが、電極にワイヤレスの通信機能を持たせて、PCにすぐにデータを取り込める仕組みが印象的だった。

生体電極メーカーのアイ・メデックス

 電極に専用のツールを装着すると、PCとBluetoothで直接通信できるようになる。ブースでは、この仕組みを展示し、医療分野に興味のあるユーザーの注目を集めていた。

非接触通信でデータをPCに取り込める

IoT化する現代、パートナーを探す絶好の機会

 今回のIoT&H/W BIZDAYでは、IoTデバイスがすでにビジネスの現場で多数利用されている実態や、他社と協業し、自社の資産をより有効に活用する方法を模索している企業など、IoTを取り巻くさまざまな模様が垣間見えた。また、出展者と来場者の交流も積極的に見られ、ここを出発点として世に出ていくアイテムやソリューションも多数あるだろうと予感させる盛り上がりがあった。

 IoT(=Internet of Things)が「珍しい、最先端のもの」から、「広く使われているもの」に変化したいま、このイベントに多くの人が集まる意義は大きいはずだ。今回は参加しなかった方、参加できなかった方も、次回開催時はぜひ情報をチェックしてほしい。

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