このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

缶コーヒーの常識破る「ギンレイ」の裏にダイドーの知られざる苦労があった

2018年10月05日 18時00分更新

文● ナベコ

提供: ダイドードリンコ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

8月27日に発売された「ダイドーブレンド ダイドーブレンドコーヒーギンレイ」。デザインが斬新と話題に。

 缶コーヒーをふだんから飲む人はダイドードリンコの「ダイドーブレンド ダイドーブレンドコーヒーギンレイ」をすでに飲んだでしょうか。

 定番の「ダイドーブレンドコーヒー」の新たな製品。シャンパンゴールドに輝く高級感ある缶のデザインが、従来のダイドーブレンドコーヒーの印象を一新させたと注目を集めています。

左がダイドーブレンドコーヒーギンレイ、右がダイドーブレンドコーヒーオリジナル。2製品展開で発売中です。

 ダイドーブレンドコーヒーの缶と言えば、コーヒー豆の麻袋の柄をベースに、緑、赤、茶のダイドーフラッグマークを配したベーシックなデザインですよね。一方で、同じくダイドーブレンドコーヒーシリーズでもギンレイは従来の麻袋を払拭。光沢ある地に「GINREI」と製品名が白抜きされており、シンプルでかつ精錬されたデザインです。

ラグジュアリーな雰囲気もあって都会的です。女性が手にしても違和感ありません。

 従来のダイドーブレンドコーヒーも健在です。名前を「ダイドーブレンドコーヒー」から「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」に改め、新製品「ギンレイ」と2製品展開となっています。

 SNSでは、月面の土地所有権をプレゼントするという「月面、あたります。」キャンペーンも後押しして、写真付きの投稿が多数見られます。写真映えする缶コーヒーというのはあまりないですし、ダイドードリンコというと硬派なイメージもあるので意外性を感じた人は多いのではないでしょうか。

対象商品の写真をTwitterで投稿した人の中から抽選で「月面の土地権利書」などが当たるキャンペーン。10月31日まで開催中。詳細はコチラ

 ダイドーブレンドコーヒーでありながら麻袋をなくすとは大胆。開発にあたって、従来のファンからは認知されにくいという懸念も当然あったはず。はたして、ダイドードリンコは、どのような経緯で「ギンレイ」の開発に踏み切ったのでしょうか?

缶コーヒーの生き残りをかけて

 「缶コーヒーは大きな波で見るとダウントレンド」とダイドードリンコ マーケティング部 土屋淳一さんは語ります。

ダイドードリンコ マーケティング部 土屋淳一氏。「ダイドーブレンドコーヒーギンレイ」の戦略を担当しました。

ダイドードリンコ土屋氏:缶コーヒー、ボトル缶コーヒー、ペットボトルコーヒーの容器別トレンドを流通チャネルで見ると、2017年にはペットボトルコーヒー、ボトル缶コーヒーのボリュームが大きくなってきて、缶コーヒーは2016年と比較すると87%ダウンしています。

2017年は特に、大容量のペットボトルコーヒーがITワーカーなどの「チビダラ飲み」のニーズに対応して人気が出ました。再栓できるボトル缶タイプのコーヒーも増加傾向。一方で、缶コーヒーのように短時間で飲み切る飲料は以前よりもニーズが落ちてきています。

―――缶コーヒーは苦戦していると。

土屋氏:そうです。ですが、私たちはやはりは缶コーヒーで勝負をしたいと考えています。

缶コーヒーは他の容器よりコーヒーの飲料頻度が高い人に飲まれている傾向があり、ユーザーとの絆が強いとわかっています。ダイドードリンコは1975年以前から缶コーヒーをつくってきたコーヒーカンパニーです。長い歴史で築きあげてきた確かな技術で、今の時代に本当に求められる缶コーヒーを生み出したい。そう思って、看板商品であるダイドーブレンドコーヒーの新機軸の展開を考えました。

ダイドーブレンドコーヒー43年のプライド

ダイドーブレンドコーヒーのこれまでの缶パッケージ。あなたはどれがなじみ深いでしょうか。

ダイドーブレンドコーヒーが生まれたのは1975年(昭和50年)です。のちに飲料メーカー各社が缶コーヒーに参入し様々なブランドが登場する中で早い段階から存在感を見せました。少し疲れたなという時、ダイドーブレンドコーヒーを飲んで癒された人は多いはず。

「甘い派」「さっぱり派」とニーズは二方面に
両方にアプローチするため

―――缶コーヒーのヘビーユーザーが多いのはなぜなのでしょうか?

土屋氏:小容量で飲み切りやすい缶コーヒーは、限られた休憩時間内にコーヒーを飲みたい、短時間でリフレッシュしたいというニーズに応える製品。独自価値があるため高い頻度で飲む人も多いですし、ダウントレンドとはいえ缶コーヒーが世の中からなくなることはあり得ないはずです。

缶コーヒーはユーザーとの絆が強いと語る土屋氏。

―――なるほど。では、缶コーヒーが盛り返すにはどうしたらいいのでしょう。

土屋氏:調査したところわかってきたことは、職業種類別人口が変化してきて、缶コーヒーのユーザーで、販売、サービスの業種の方が増えてきたこと。

これまでは、建設、運輸など肉体的なストレスが多い業種の方が缶コーヒーユーザーの中で比重が大きく、糖分補給としても「コーヒー、ミルク、甘味の調和がとれたコーヒー」が好まれていました。ダイドーブレンドコーヒーのは、本格的なコーヒー感と共にしっかりした甘さ、コクが楽しめる味の設計で、まさにそのニーズに対応します。

一方で販売、サービスなど、肉体というより精神的なストレスが多めの業種の方は、同じ缶コーヒーでも「すっきりした後味」「キレのあるコク」などを求める傾向があるとわかってきました。業種によって缶コーヒーに求める味が異なります。そこで、両方の層のニーズに応えるために、従来のダイドーブレンドコーヒーを「オリジナル」として継続しつつ、精神的なストレス多めの方々に向けて新しく開発した製品が「ダイドーブレンドオリジナルギンレイ」です。

「すっきりした後味」「キレのあるコク」を求める新しい缶コーヒーユーザーに向けて開発したのが「ダイドーブレンドコーヒーギンレイ」。これまでの「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」とは異なる層にアプローチします。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ