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iPhone XS&iPhone XR、ASCII徹底大特集! 第71回

1つのカメラでも機能を実現できた秘密はプロセッサー:

iPhone XRはなぜ「ポートレートモード」を実現できたのか

2018年09月20日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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ヒミツはA12 Bionic

 アップルは「写真の新しい時代」(A new era of photography)というスライドを掲げ、iPhoneがこれまでも重視してきたカメラ機能を、別の次元で進化させた点を強調しました。

 カメラのセンサーやレンズなどのハードウェア、画像処理に関わるソフトウェアにより優れたカメラ機能を作るだけでは新しい時代とは言えません。アップルだけでなく、その他のデジタルカメラメーカーも、同様のことをしてきたからです。

 新しい要素は、機械学習による処理と、これを実現するプロセッサです。アップルは2018年モデルのiPhoneすべてにA12 Bionicを搭載しました。

 このチップは、機械学習処理を1秒間に5兆回こなす8コアのニューラルエンジンを備えています。もはや、この回数が我々に直接的に意味を持たないことは、いうまでもありません。

 アップルはプロセッサ内の画像処理プロセッサも内製していますが、A12 Bionicでは、画像処理プロセッサとニューラルエンジンが連係して動作するにようになった、と紹介しました。1枚の写真を得るために毎回1兆回の処理をして、最良の仕上がりをもたらしてくれます。

 1つのカメラでのポートレートモードは、A12 Bionicが、被写体を素早く認識し、背景と被写体をアルゴリズムで分離することで、背景のみをぼかすことができる、と考えて良いでしょう。

 ちなみに、こうした機能は必ずしもアップルが初めてではありません。GoogleのPixel 2でも、同様のテクニックが使われています。

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