海外に売却された国産戦車
旧日本軍の戦車を日本に里帰りさせようというプロジェクトに一口乗ってみました。イギリスに現存する旧日本軍の「九五式軽戦車」という戦車を日本に持ってこようという計画で、1億円を目標に支援を募っているのです。
ことの発端は1981年。ミクロネシア連邦ポナペ島(現ポンペイ島)から、1台の戦車が日本にやってきました。旧日本軍が国産第2号の戦車として開発した九五式軽戦車です。
九五式軽戦車は1935年に制式化された戦車で、1935年が皇紀2595年であるため九五式と名付けられました。1936年から1943年までの7年間で2378輌生産され、終戦時にも500輌以上が残っていたようです。残存車輌の一部は武装を外して作業用車両に改造されたり他国でそのまま戦車として使われたりもしたそうですが、ほとんどは解体されてしまったとのこと。現在ではアメリカやイギリス、ロシア、タイなどの博物館で展示されている数台を残すのみとなってしまいました。
ポナペ島にあった個体は、戦闘に参加することもなく終戦を迎えてジャングルに放置されていたそうです。日本に到着後は京都にあった京都嵐山美術館で展示されていたのですが、1991年に同館が閉館したため、和歌山・南紀白浜に設立された零パークに移動されました。さらに2002年、その零パークも閉館となってしまい、展示品は国内外の各地へと散り散りになってしまいます。九五式軽戦車も売りに出され、2004年にイギリス人の元へ。せっかく日本に帰還したのに、再び海を渡ることになったのです。
レストアが完了したら日本へ
ところが2017年。なんとそのイギリス人から日本へ、九五式軽戦車を買わないかという打診があったのです。しかもオリジナルの三菱製空冷ディーゼルエンジンで動くようレストア中とのこと。オリジナルのエンジンで走る九五式は、これまでに1台しか存在していません。レストアが完了すれば世界で2台目という希少な個体になります。
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