苦境に立たされているウーバーに、久々に明るい話題だ。
トヨタ自動車は8月28日、ウーバー・テクノロジーズに5億ドル出資すると発表した。ライドシェア(相乗り)専用車両を開発・量産し、ウーバーのサービスに2021年に導入する。今後、第3者(社名は明かされていない)を含む運営会社の設立も検討するという。
自動運転車両はトヨタのミニバン「シエナ」をベースに開発する。ウーバーの自動運転技術に加え、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)が開発した高度安全運転支援システムを搭載し、安全性を高める。
ウーバーは今年3月、米アリゾナ州で自動運転車が歩行者をはねて死亡させる事故を起こし、公道試験を中止。7月には2016年に買収した自動運転トラック部門を閉鎖し、今後は乗用車の改良に集中するとしていた。配車サービスをめぐってはニューヨークに続いてロンドンでも規制を求める声が高まっており、ウーバーには逆風が続いている。
一方、トヨタは今年2月、日本交通傘下のジャパンタクシーにも75億円出資しており、配車サービス分野でも全方位戦略をとる。