『R.シュトラウス:アルプス交響曲』
アンドレス・オロスコ=エストラーダ、hr交響楽団
48kHz/24bitなのに、不足を感じさせないクオリティの高さはさすがPENTATONE。冒頭の暗闇の中の山往きの不安さが、朝日の登場で一挙に晴れて、あたり一面に陽光が降り注ぐ描写のダイナミクスは、もちろんリヒャルト・シュトラウスの卓抜な筆捌きの効果だが、エストラーダ/HR交響楽団は、実に色彩的に、まさに朝日の輝きの中に七色が光彩を放っているように聴ける。客席では過度に残響の多いフランクフルト・アルテオパーだが、マイク位置を工夫し、ソノリティと明瞭さをちょうど良いバランスにセットしている。金管のブリリアントさが素晴らしい。2016年10月13日、14日、フランクフルはアルテオパーでセッション録音。
FLAC:48kHz/24bit、WAV:48kHz/24bit
PENTATONE、e-onkyo music
『The Abbey Road Sessions』
Kylie Minogue
往年のヒット曲をアビー・ロード・スタジオの第1スタジオにて再録音した2011年のアルバムのハイレゾ版。スタジオの大きさを使い、フルオーケストラをバックに、快速的に叙唱する。大ヒット曲「Can't Get You Out of My Head(邦題「熱く胸を焦がして」)」は、大オケがビートを刻む中、クリアに伸びよく、気持ち良く歌われる。ヴォーカルはセンターに明確に定位。伸びのよい少し色気を感じる声質が魅力的だ。有名な「The Loco-Motion」は、ビートは強調されているが、キャロル・キングのオリジナルに近い雰囲気。音は、ひじょうに明瞭で、ハイレゾらしくディテールまで切れ味がシャープ。輪郭がしっかりとした音調だ。
FLAC:44.1kHz/24bit
Parlophone、e-onkyo music
石野真子のシングル作品はこれまでにハイレゾ化されているが、アルバムは初。1978年リリースの「微笑」は阿久悠と吉田拓郎作品を6曲、谷山浩子作品を収録した名盤。音調はまさに昭和の歌謡曲。ヴォーカルもバックの弦、パーカッション、ギター、ベース、ドラムのどれもが、全力投球のボリューム感で、音の塊となって聴き手に向かってくる。時に音の「張り」がこの時代の特徴を表している。大ヒット「狼なんか怖くない」は、ベースの躍動の上に、ガッツのあるヴォーカルが乗る。いかにもヒットを狙うぞ! との勢いの音作りだ。1978年作品。
FLAC:88.2kHz/24bit、WAV:88.2kHz/24bit
VICTOR STUDIO HD-Sound、e-onkyo music
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