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マルウェア情報局

韓国が仮想通貨売買のための匿名銀行口座の使用を禁止

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 本記事はキヤノンITソリューションズが提供する「マルウェア情報局」に掲載された「韓国で仮想通貨取引の規制開始」を再編集したものです

 韓国は、仮想通貨売買のための匿名銀行口座の使用を禁じる決定を下した。この動きには、仮想通貨を悪用した犯罪を厳しく取り締まるとともに、このところ韓国で沸き立っている熱狂的投機ブームを冷ますという目的がある。

 具体的には、この方策は、2017年12月26日火曜日の韓国金融委員会(FSC)による正式発表の後、2018年1月30日に発効した。

 世界的に見て、韓国は、仮想通貨市場の主要ハブ国の1つである。この国では200万人(全人口の4%ほどである)を超える人々が仮想通貨に投資していると見られている。

 韓国の金融監督機関FSCの副委員長キム・ヨンビョン氏がロイター通信に語ったところによると、2018年1月30日をもって、韓国の仮想通貨取引は、銀行口座名と仮想通貨取引口座名とが一致しない限り、自分のウォレットへの預け入れができなくなる。

 キム氏はAP通信で「マネーロンダリングに悪用される危険がある仮想通貨取引が、これで市場から消えることを期待している」と述べた。

 このポリシーにはまた、未成年者と韓国国内に銀行口座を持たない外国人は仮想通貨取引ができない旨も書かれている。各銀行は、仮想通貨取引についてお互いに情報交換することが義務付けられ、犯罪に結び付いた可能性のある取引により厳しい目を光らせる必要が出てくるだろう。

 FSCのWebサイトに載せられた表明によれば、この「実名ポリシー」は、「仮想通貨取引が、犯罪やマネーロンダリング、脱税といった非合法活動に悪用される余地をできるだけ少なくする」ことを目指して策定された。この表明は全般的に、韓国が、どのようなものであれ、投機と仮想通貨を悪用する非合法取引を厳しく取り締まろうとする際、重要なものになる。表明は続けて、この方策が実施されると、「今仮想通貨取引に広く使われている匿名口座は、もはや使用不可能になる」と述べている。

 この動きは、仮想通貨部門を制御し、これまでほぼ野放し状態だったこの分野を強く引き締めることを目的としたものとしては、最新の対策である。韓国政府は、国内における仮想通貨取引は法人税・地方所得税の徴収対象になると発表した。

 また韓国政府がさらに踏み込んで仮想通貨取引それ自体を禁止する可能性すらささやかれている。しかも、このところ政府が行っている施策は、韓国の数十万人もの人々に好意的に受け取られてはいない。

 この間、フランスとドイツは、2018年3月にはビットコイン規制のための共同提案をすると発表した。

 仮想通貨とそのさまざまなサービスは最近、まるで年中行事ででもあるかのように、騒がしい時期を幾つも経ている。2018年1月には、人気のある仮想通貨融資・取引プラットフォーム「ビットコネクト」(Bitconnect)が、サイバー攻撃と悪評を理由に、営業停止を発表した。これに続く混乱に乗じてひともうけしようとする明白な詐欺行為が幾つか、程なくして現れた。

 また、2018年1月中旬に、仮想通貨であるステラールーメン(Stellar Lumen)(およそ4,240万円(=40万ドル)相当)が「DNSハイジャッキング」という攻撃により、Webベースのウォレット「ブラック・ウォレット」(BlackWallet.co)のユーザーの口座から盗まれた。

 ロンドンに本拠を置く世界的コンサルタント企業「アーンスト・アンド・ヤング」が1月に公表した仮想通貨窃盗を扱ったリポートによると、2015~17年にかけて通貨公開(=ICOs、initial coin offerings)された総額約4,070億円(=37億ドル)のうち、約440億円(=4億ドル)がクラッキングによって失われるか、盗まれるかしている。

 2018年1月初めに出た記事では、2013年末の2カ月間にビットコインの価値が約1.6万円(150ドル)から約11万円(=1,000ドル)を超えるところまで盛り返したのは、おそらく特定の人物か、あるグループの仕業に違いないという。この調査の結論は、「仮想通貨の価格は大量の価格操作によって動いている」という主張に信憑性を与えている。

 そしてこの盛り返しが起きたのは、2017年にビットコインが驚異的な回復を始め、1月から12月半ばまでの間に約11万円(=1,000ドルほど)からほぼ20倍近く値を上げる以前のことである。ビットコインはそれ以後、一種の上下動を繰り返しながら全体としては下降していき、通貨価値がピーク時のちょうど半分を超えた付近で落ち着いたのだった。そして、ほかの主要仮想通貨も、大方この値動きに追随したのである。

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