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EV充電器規格の世界覇権、日本が中国を取り込み反転攻勢の成否

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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電気自動車(EV)向け充電システムCHAdeMO(チャデモ)

 電気自動車(EV)向け充電システムの独自規格普及を進めるCHAdeMO(チャデモ)協議会の会員数が、一時の減少局面から増加に転じている。

 日本勢が推す「チャデモ」方式は、欧州勢が推す「コンボ」方式と世界中で激しい規格争いを繰り広げているが、急速充電器の設置数ではコンボの約4000基に対し、チャデモは約1万8000基とリードする。またチャデモ協議会の正会員になれば、技術情報の開示や製品認証を受ける権利を得られることから、新興国の会員を積極的に取り込んでいる格好だ。

 チャデモ協議会は2010年の発足当時、乗用車や充電器メーカーなど158社・団体でスタートし、国が次世代自動車充電インフラ整備促進事業として12年度補正予算に1005億円の補助金を計上した“特需”を追い風に、会員数は429社・団体まで急増した。

 だが、その後は国内における急速充電器の拡大に頭打ち感もあり、会員数は右肩下がりに。そこでチャデモ協議会が陣営に取り込んだのが中国だ。

中国を陣営に取り込み

 中国は「GB/T」と呼ばれる独自の規格を持つが、実はチャデモと通信方式が全く同じで、数百円のコストで差し込み口さえ替えればそのまま充電できる。これはGB/Tが、チャデモの技術支援を受けて開発されたためだ。

 日本勢としては中国にチャデモを採用してもらうのがベストだが、中国にも“メンツ”がある。そこで中国は苦肉の策として、チャデモの差し込み口の形状を変えただけのGB/Tを後出しし、国際規格に申請。いわば日本の技術が“ただ乗り”された形だが、チャデモ協議会の吉田誠事務局長は「日本のメーカーからすれば、ケーブルなど関連部品の販路を中国に開拓できる。広義のインフラ輸出と捉え、積極的に技術支援をした」と語る。

 日本の技術を門外不出とせず、積極的に海外に開示する戦略が功を奏し、チャデモ協議会の正会員数は、16年に初めて海外が国内を抜き、以降右肩上がりを続ける。これを販路拡大の商機とみて、国内会員数も再び増加傾向にあるという。

 欧州では近年、コンボとチャデモの双方に対応する充電器も増えており、このことからも規格競争でチャデモが優位に戦いを進めていることが分かる。

 ただし、その優位性は、今後の成長が見込まれる新興市場の動向次第では逆転されかねない。例えばEVの欧州への輸出を狙うインドは、コンボの採用に傾いているとされる。またインドは中国製品の流入に対する警戒感が強く、中国と“共同戦線”を張った日本の戦略が裏目に出かねない。

「日中vs欧米」(吉田事務局長)の構図となり、新たな局面に入った規格戦争で勝つための戦略が問われている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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