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ASCII STARTUP 業界ポジトーク第39回

秋田県湯沢市で事業創造プラットフォームが始動

2018年03月30日 09時00分更新

文● 堀江洋生 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP

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 こんにちは、一般社団法人MAKOTOの堀江です。
 東北の中心(ハブ)とも言える仙台市は起業率全国2位、そして東北全域でもアクセラレータープログラムが複数スタートするなど、ALL東北で起業家を発掘・育成する取り組みが行われてきております。そのうちの1つのプログラムは、前回記事にて紹介させていただきました。

 今回は私たちが地方自治体と連携して行なう起業家支援の取り組みをご紹介いたします。地方自治体等と連携して起業家をサポートする地域は、今年度で15地域となりました。その中でも今回は、秋田県湯沢市の事例からみる事業創造の形について、ご紹介いたします。

地域が抱える課題とその危機感

 秋田県湯沢市は、秋田県の県南に位置し、歌人小野小町発祥の地であると言われています。人口約4万5千人、秋田の南の玄関口に位置し、産業としては漆器製造・うどん製造・酒造業といった伝統的地場産業に特色があり、また食文化や地熱エネルギー、温泉資源にも恵まれています。

 一方で秋田県は人口減先進県と言われ、湯沢市はその中でも人口減が特に進んでいる地域です。また、冬は豪雪で雪の除排雪のための労働や、空き家などの遊休不動産の維持管理の課題も顕著に現れています。その中で、産業面はもとより住む上でも選ばれづらい地域になるのではないか、という危機感が醸成されてきた地域の1つであると言えます。

チーム化し、有志で海外の都市に学びを求める

 そのような地域である湯沢市での起業家育成プロジェクトは、約2年前に始まり、地域の起業家や起業潜在層への訪問、起業イベントや経営セミナー、そして昨年度は起業家の誘致を行なってきました。危機感とともに、いかに継続的に起業や起業につながるプロジェクトが生まれる土壌をつくる事ができるか、ということを実践と検証を繰り返してきました。その中の1つとして、海外の先進地に事例を求め、デトロイト、ニューヨーク、サンホセ、グアテマラシティ、ヘルシンキ、コペンハーゲン、ベルリン、タリン、テルアビブなど、北中米4カ国と欧州8ヵ国を有志のチームで視察を重ねてきました。共通していたのは、事業と街には密接な関係性があり、1人の人、1つの区画がその町に変化を起こし次の事業や投資の連鎖を生み出しているという事でした。

デトロイト

域内外の多属性との対話・連携

 起業と街の関係性がある以上、産業界だけで地域経済を開発することは難しく、さまざまな役割をもつ属性の知見を集めなければいけないと考え、有志のチームが中心となり、行政、議員、金融機関、経営者、起業家、大企業、アーティスト、デザイナーなど、湯沢市を中心として隣接する横手市や羽後町、秋田市など県内他地域も含め2017年度は数十人とのヒアリングを重ねてきました。また、月に約1回のペースで市内でのイベントを開催し、参加者の持つアイデアをヒアリング、また2月に行なわれたイベントでは仙台や東京からの参加者も含め、8人が事業のピッチを行ない、IoT×医療、地熱や小水力などのエネルギー、遊休工場のリノベーションなど、事業につながる動きが生まれてきています。

 この動きを通じ、地域に起業家がいないのではなく、アイデアを内に秘めている人が多いためアクションに繋がっていない、という事が可視化されていきました。同時に、関係人口数と能動的な行動が増えてきたことにより、この一連の動きを最大化するためのブランディング、リソース共有、事業立ち上げサポートなど、地域プラットフォーム構築の検討を行ないました。

Fermentation City プラットフォームの役割

 「Fermentation City =発酵 × 都市.」

 地域や都市、人の関係性をも発酵と捉えたローカルプラットフォームをこのように名付け、機能として1.トータルブランディング、2.協業窓口、3.起業経営支援、4.市民大学、5.対話の場、6.地域商社、7.インバウンド、の7つを見出しました。これにより、地域内外でこれまで接続されていなかった、ひと・もの・かね・情報などが可視化され、接続できると考えています。接続されるこれらの機能を活用し、実際に間を埋めていく人材が起業家となっていくことを想定しています。

 7つの機能の中でも、トータルブランディング、協業窓口、起業経営支援、市民大学、この4つを初期の軸として2018年より機能させていく事を検討しています。ネットワークを開放し、地域に無い知見を取り入れる事業に繋げる、生まれた経験を発信していくことで先進地と接続していく、そのようなプラットフォームを湯沢に構築していくことを目指しています。

堀江洋生(一般社団法人MAKOTOシニアアソシエイト)

著者近影 堀江洋生

上場エネルギー商社を経て、2016年MAKOTOに参画。秋田県、岩手県の地域を対象にした起業創出事業、東北全域の起業家を対象にした育成プログラム、起業環境構築を主に担当。

■お知らせ
 月1回程度、市内でイベントを開催しています、湯沢での事業や連携を希望する方、市民大学の運営に参加したい方やイベントに参加したい方は、ぜひご連絡ください。
湯沢市起業家育成プロジェクトFacebook:https://www.facebook.com/yuzawa0201/

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