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大手証券の若手営業マンが相次ぎ独立・転職する「IFA」って何だ

2018年03月15日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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直近まで野村證券の支店で働いていた若手営業マンがIFA事業者として独立する例が出てきた Photo:Bloomberg/gettyimages

 証券業界に“新風”が吹き込んでいる。このほど、最大手の野村證券の若手営業マン2人が会社を離れ、「IFA」の事業者となるべく立ち上げた新会社が始動したのだ。

 IFAとは特定の金融機関に属さず、独立した立場から顧客に投資助言を行ったり、運用商品を販売したりする「独立系金融アドバイザー」のこと。知名度はまだ低いものの、最近では金融商品の販売の新たな担い手として金融庁が育成に力を入れ始めるなど、注目を集める存在となりつつある。

 冒頭の新会社、ジャパンアセットマネジメントは、2月半ばに営業を開始。野村時代に営業部門トップから表彰を受けたことがある代表の堀江智生氏(30歳)は、「販売ノルマを追わず、常に顧客目線で要望に応える金融機関を目指したい」と意気込む。そして株式や保険、不動産など、顧客ニーズに沿う形で幅広い商品を提案していきたいという。

 共同創業者の長谷川学氏(27歳)は20代だ。「これまでと最も異なるのは時間軸。3~5年で転勤を繰り返す形では顧客との関係が途切れてしまう」と、大手証券とは違って長期的なスパンで顧客と向き合う点を強調する。

 実は最近、この例のような大手証券の営業マンが、IFAに転じるケースが少なくない。ただし、既存のIFA事業者の社員になるか、業務委託契約を結ぶ形がほとんど。今回のように、業界随一の待遇や安定した雇用を捨て去り、30歳前後の若さで自ら創業するケースというのはまれだ。

 だが、先の例以外にも、野村出身の20代の若手3人によるIFA事業者が立ち上がろうとしている。IFA事業者が運用商品を販売する際、IFAビジネスを展開するSBI証券や楽天証券など証券会社と契約して売買システムを使い、利用料を支払う形が一般的だが、その楽天証券が現在、彼らの審査手続きを進めているという。

米国に遅れてきた日本

 こうしたIFAという職業は、1980年代から米国で起きた証券リテール(個人向け営業)革命の中で誕生した。次第に資産運用の有力な助言者として認知されるようになり、今や米国では証券会社に属する営業マンに匹敵するほどの数に及んでいる。

 翻って日本の証券会社の営業現場では、顧客に投資信託を頻繁に売買させて販売手数料を稼ぐ「回転売買」が長らく横行。そこで金融庁が「顧客本位」の姿勢を強く求め、ようやく自粛に追い込まれた。だがその裏で「最近は取引手数料の高い外国株を勧めるケースが多い」(大手証券マン)など、姿勢が改まったとは言い難い。

 日本の資産運用は、金融先進国である米国に20~30年遅れているといわれてきたが、昨今の若きIFA事業者の誕生は、そんな米国に一歩近づいたことを象徴する事例にも映る。

(週刊ダイヤモンド編集部 竹田幸平)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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