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麻倉怜士のハイレゾ真剣勝負 第21回

Sgt. Pepper'sやスター・ウォーズをハイレゾで楽しむ

麻倉推薦:オリジナルのビートルズ音源は素材、現代感覚のリミックスに驚嘆

2018年02月04日 12時00分更新

文● 麻倉怜士 編集●HK(ASCII)

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WADASOUL COVERS ~Award Songs Collection
和田アキ子

 グラミー受賞曲のカバー集。冒頭から、凄いボリューム感のバスドラムに驚かせられる。コンスタントに刻まれる強力ビートに乗って、ソウルフルなブルースが迫力満点に歌われる。和田の歌の雄大さやディープな低音感が、ハイレゾの解像度で迫る。

 名曲「Don't Know Why」は、ノラ・ジョーンズの軽さと儚さとはまったく異なる、重武装した重戦車が障害物を押しのけて、力強く前進するような器量感とこぶしの勁さが和田の持ち味だ。カントリー曲がこれほどソウルフルになるとは。エリック・クラプトンのTears In Heavenの重いヴィブラートは、まさに演歌だ。英語歌詞を日本語発音で歌っている。

FLAC:48kHz/24bit
Virgin Music、e-onkyo music

想い出の歌声は永遠に
越路吹雪

 1月8日から始まったテレビ朝日の帯ドラマ劇場『越路吹雪物語』とのタイアップ配信。「ろくでなし」は、まさに越路の十八番。ヴォーカル音像がひじょうに大きく、2つのスピーカーの間に巨大な口が存在する。バックバンドの編成は小さく、艶っぽさと大きなヴィブラートが醸し出す越路のヴォーカルを絶大的にフューチャーしている。ミキシングは歌謡曲調だが、ハイレゾの有り難みは、グロッシーな音調がクリヤーに、ストレートに伝わってくるところにあろう。20曲中、スタジオが9曲、ライブが11曲だ。解像感の高いスタジオ録音と、響きが主体で音像の明瞭度は低いが、それはそれでハイレゾならではの雰囲気感があるライブ録音との比較が愉しい。

FLAC:96kHz/24bit
USM JAPAN、e-onkyo music

Cannonball Adderley Quintet
Cannonball Adderley Quintet

 1969年、ドイツはシュトゥットガルトのカルチャーセンターLiederhalleでのライブ。スタジオ録音とは異なるテンションの高さと、疾走する剛性感が音楽的な面白さだが、音も素晴らしい。ライブ的な臨場感的な音場感なのだが、サックス、アコースティックベース、ドラムスの音像描写がきちっと確保され、音的な解像感、コントラスト感、着色感がとてもリアルだ。カナダの高音質レーベル、2xHDならではのハイファイ性が堪能できる。同一曲が192kHz/24bitと5.6MHzDSDでダブルリリースされているので、その違いを味わうのも興味深い。直截なリニアPCMと、雰囲気感が横溢するDSDという違いだ。

FLAC:96kHz/24bit、192kHz/24bit
WAV:96kHz/24bit、192kHz/24bit
DSF:2.8MHz/1bit、5.6MHz/1bit、11.2MHz/1bit
2xHD、e-onkyo music

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