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「テクノロジー・スタートアップが未来を創る: テック起業家をめざせ」

東大人気講師が語る大学発Techベンチャーのススメ

2018年01月23日 07時00分更新

文● 鎌田富久 編集●ASCII STARTUP

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 東京大学の人気講座・アントレプレナー道場の看板講師であり、エンジェル投資家でもある鎌田富久氏が『テクノロジー・スタートアップが未来を創る: テック起業家をめざせ』(東京大学出版会)を上梓した。今回、本書を構成する第1章から第6章までの各章冒頭を特別にピックアップしてご紹介。学生時代から起業にかかわり、豊富な経験を持つ著者の知見を少しでも味わっていただきたい。

●目次
はじめに
第1章 テクノロジーで世界を変える
第2章 大学発イノベーションの創出
第3章 スタートアップ流モノづくり
第4章 起業家への道
第5章 未来を創る
第6章 新しい時代に生きる

テクノロジー・スタートアップが未来を創る
: テック起業家をめざせ

著者 鎌田富久
定価 1728円(本体1600円+税)
発売日:2017年12月28日


はじめに

 ロボットや人工知能、宇宙に飛ばす人工衛星、次世代のモビリティ、常識をくつがえす電子回路の製造技術、生命の設計図とも言えるゲノム(遺伝情報)の解析、農業分野のイノベーション、先端技術を応用したヘルスケアや新しい医療機器、人々を救う抗がん剤の開発、これらは現在私が応援するテクノロジー・スタートアップである。20代、30代の若者たちが中心になって立ち上げている。技術者や研究者出身が多い。難しい課題に挑戦しながらも、みな目を輝かせて、やる気に満ちあふれている。もちろん成功するかどうかは分からない。ただ彼らがやり甲斐のあるテーマを見つけて、充実した人生を送っていることは断言できる。

 イノベーションを引き起こし、ゼロから市場を開拓する、急成長を狙う企業体を「スタートアップ」と呼ぶ。もともと英語の ”start up” は、「何かを始める」「事を起こす」という意味だ。日本では、ベンチャーという用語が広く使われているが、スタートアップは、より挑戦的に成長を目指すというニュアンスがある。社会に大きな変革をもたらすには、ある程度の規模が必要だ。中小企業にとどまらず、果敢に挑戦し続けるのがスタートアップである。本書では、革新的なテクノロジーで世界初の製品やサービスを開発し、事業を成長させ、新しい産業を創るぐらいの可能性のあるスタートアップを、「テクノロジー・スタートアップ」と呼ぶことにする。そのテクノロジー・スタートアップを立ち上げるリーダーを、私は「テック起業家」と名付けた。テック起業家には、共同創業者や思いを共有するコアな立ち上げメンバーも含まれる。要は、自らが創業チームの一員と意識している人たちだ。

 現在、起業するハードルが下がり、スタートアップはすべての人にとって、それほど遠い話ではなく、やる気になれば誰でも挑戦できるようになった。自分の技術やアイデア、経験を活かして、ワクワクするようなプロジェクトを起こすことは楽しいし、とてもやり甲斐のあることだ。そして、自分たちが生み出した製品やサービスを誰かが喜んでくれたり、社会の役に立つことが直接的に実感できたら、これこそ自分がやるべき仕事と思えるのではないだろうか。また、大企業においても、既存事業にとらわれず、未来を見据えて新規事業を立ち上げることが課題となっている。スタートアップ的にイノベーションを引き起こすことは、今や日本全体に共通するテーマではないだろうか。特に若い世代に、少しでもスタートアップに興味を持ってもらえたらというのが、本書の目的である。

 どうすれば日本から世界で成功するスタートアップを輩出することができるのだろうか。私の結論は、非常にシンプルだ。多くの優秀な人材を起業に導くことだ。特に、テクノロジーをベースに破壊的なイノベーションを引き起こすには、優秀な技術者や研究者が世界を変えてやろうという気概を持って起業することが不可欠である。もちろん、スタートアップを資金面で支えるベンチャーキャピタルや、アクセラレータ・プログラム、メンターなどの支援人材、大企業との連携や政府の支援制度などは重要であり、充実しているに越したことはない。実際、ベンチャーキャピタルの投資資金も増えているし、様々な政府のベンチャー支援政策も行われている。しかし、肝心の起業する優秀な人が増えなければ、効果は発揮しないし、新しい産業を創るようなインパクトのあるテクノロジー・スタートアップを継続的に輩出することは難しい……。

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