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ガラスの塊から生み出された時計

セイコー、ガラスの塊から生まれた光のオブジェ「ガラスウオッチ」

2017年11月10日 08時00分更新

文● 飯島恵里子/ASCII

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「ガラスウオッチ」4万9680円から5万1840円

 セイコーウオッチから発売される「ガラスウオッチ」は、ISSEY MIYAKE WATCH プロジェクトの16番目のモデル。デザインからアート、建築まで幅広い領域で活躍する吉岡徳仁氏によるデザインだ。11月13日まで東京・港区六本木の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で「吉岡徳仁 光とガラス」展を開催中の吉岡氏に、ガラスウオッチについて話を聞いた。

吉岡徳仁氏。吉岡氏は2005年の「TO」を皮切りに、「TO automatic」、「O」、「V」とISSEY MIYAKE WATCH プロジェクトの腕時計をデザインしてきた

 「ガラスしか見えないようにしたかった」と、吉岡氏。光の表現に最も近い素材であるガラスに着目し、これまでも建築プロジェクト「虹の教会 ー Rainbow Church」、「光庵 ー ガラスの茶室」などを発表してきた。

緻密な形状加工と研磨技術、特殊な内部構造を作ることでガラスの塊のような厚みを実現した

ガラスによって光そのものを表現

 「光そのものは物質ではないので作れないが、非物質的なものを表現したくてガラスに着目した。ガラスは半永久的な素材。通常、時計に使われる素材を使って自分らしいモノを作りたかった」と吉岡氏はいう。

 この16番目のモデルとして、初めてガラスの時計に取り組んだわけではない。ISSEY MIYAKE WATCH プロジェクトにかかかわったおよそ15年前から、「ガラスの塊」を腕時計のモチーフにしたいというアイデアはあったが、製造技術の問題で実現できなかった。

 腕時計のプロジェクトは、スケッチを描き雑談をするなかで生まれてくるというが、本モデルはガラスの内部構造にこだわり、支えが見えないように工夫をしているそうだ。

ガラスウオッチのケース裏のステンレススチールは、腕時計に必要な堅牢性や防水性を確保しつつ、削がれている

 ガラスの塊と聞くと「重たい時計」と感じてしまいがちだが、今回の時計素材のなかで一番重量があるのはステンレススチール製のケース部分。ここを最大限に薄くし、ケース裏の肌に当たる部分をくり抜くことで、軽量化したという。

 風防のガラス部分は、強化処理をしたミネラルガラスを使用、ひとつひとつ削り出しで加工し、腕時計に必要な堅牢性や防水性を確保したステンレススチール製のケースと合わせている。

左より「NYAH002」、「NYAH001」、「NYAH003」。NYAH002はケース素材のステンレススチールに硬質コーティングを施している

身につけることができる光の彫刻(オブジェ)

 吉岡氏のガラスから生み出される光の作品のなかで唯一、身につけること・容易に持ち運ぶことができるのが、このガラスウオッチ。ケース径39mm、厚さ15.6mmなので男性も女性も、ジェンダーレスで楽しむことができる。

 価格はステンレススチール製ケースのモデル「NYAH001」、「NYAH003」が4万9680円、ケースに硬質コーティングを施したモデル「NYAH002」は5万1840円。クオーツムーブメント、日常生活用防水、11月10日発売。

ドン ペリニヨン アートプロジェクトで発表された「Prism」も、21_21 DESIGN SIGHTに展示されている

ガラスから生まれる光の世界

 「吉岡徳仁 光とガラス」展では、吉岡徳仁氏の代表作「Water Block ー ガラスのベンチ」やガラスウオッチの展示のほかに、映像で大型の作品を見ることができる。入場は無料。

「吉岡徳仁 光とガラス」展
会期:2017年11月2日〜11月11日
時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
場所:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン
入場料:無料


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