10月31日、日立製作所はシステム運用管理ソフトの最新版「JP1」の最新版「JP1 V11.5」の販売を11月1日から開始することを発表した。JP1 Version 11.5は2016年1月に販売開始した「JP1 Version 11」の機能強化版にあたり、デジタルビジネス時代のIT運用を見据え、大幅な機能強化が行なわれた。
ZabbixやAWS、Azureなどの管理も可能に
まずジョブスケジューリング製品「JP1/Automatic Job Management System 3」においては大規模化する業務システムに対応すべく、性能を強化。1台のマネージャーホストで管理可能な実行エージェント数を1024台から2048台に倍増させた。また、JP1 Version 11から強化してきたWeb GUIにおいても、ジョブのスケジュール確認と一時変更が可能になり、実行・監視に必要な一連の操作をWeb GUIで行なえるようになった。
また、IT基盤を可視化する「JP1/Operations Analytics」においては、SAP NetWeaverに加えて、SAP HANAの構成情報も可視化できるようになった。また、システムの多様化に対応して、OSSの統合管理ソフトウェアであるZabbixや、Amazon Web Services、Microsoft Azureなどを利用したパブリッククラウドも管理可能になった。オンプレミスとパブリッククラウドのサーバーを環境ごとに区別して管理できるというさらに障害発生箇所に関連のある分析対象のリソースから、稼働性能データが類似している(相関値が高い)リソースを自動的に数値とグラフで抽出・表示できるようになっている。
さらにJP1 V11.5では、「JP1/Navigation Platform」で人員や工数を見える化する「ヒト」視点のレポートを、JP1/Operations Analyticsでリソース状況を見える化する「モノ」視点のレポートを提供。それぞれの視点での気づきをもとに改善ポイントを明確化し、運用改善やコスト削減を行えるよう支援するという。 その他、JP1/IT Desktop Management 2で一元管理できる仮想環境としてCitrix XenApp/RDS環境に対応したほか、ソフトウェア配布の自動配布、マルウェア対策などの強化を図った。
サブスクリプション版の提供も2017年度内に開始
IT運用の最適化を提供すべく、2017年7月から提供している「IT運用最適化サービス」においては、新たに機械学習による運用のコンサルティングや運用改善の支援が提供される。大量に発生するイベント情報のエスカレーション判定の自動化、障害分析の支援、障害予兆の検知などにおける機械学習の適用を支援するという。
また、2017年度内をめどに今までの永久ライセンスの販売に加え、JP1各製品のサブスクリプション提供も開始する予定となっている。