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積極的にリモートワークを実践する2社が登壇、「ASCII Team Leaders Meetup Vol.1」開催

「新しい働き方」のヒントをシックス・アパートとChatWorkから学ぶ

2017年10月27日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 10月18日、第1回目のASCII Team Leaders Meetupである「シックス・アパートとChatWorkが語る『新しい働き方の実践方法』」が、東京・飯田橋のKADOKAWA本社で開催された。それぞれに新しい働き方を模索し、実践してきた2社が、これまでの取り組みやそこで得られた成果、さらには今後のビジョンなどを語った。

ChatWork、シックス・アパートの2社を迎えて開催された、ASCII Team Leaders Meetup Vol.1「新しい働き方の実践方法」。パネルディスカッションではアスキー編集部の大谷が率直な疑問をぶつけた

シックス・アパート:「全員リモートワーク」で
コミュニケーションはむしろ活発かつ濃密になった

 最初に登壇したのは、シックス・アパート 代表取締役の古賀早氏だ。シックス・アパートは、安価/高機能なCMSプラットフォームの「Movable Type」や、そのクラウドサービス版の「Movable Type.net」などを開発/販売する、社員数30名のソフトウェアベンダーである。

シックス・アパート 代表取締役の古賀早(はじめ)氏

 同社では、2016年のEBO(従業員買収)による独立を契機として「全社員でリモートワーク」という非常にユニークな働き方を始めている。同社ではこれを「シックス・アパートらしいワーキングスタイル=SAWS(サウス)」と名付けている。

 ここに至った経緯については次の記事にもまとまっているが、そもそもは2011年、東日本大震災発災後の節電要請を機に「毎週水曜日はオフィスを閉鎖する」取り組みを始めたことにさかのぼる。実施してみたところ、社員からは非常に好評で「7~9月の夏季限定で始めたのだが『冬もやろう』『毎日やろう』と言われるようになった」(古賀氏)という。

 現在のシックス・アパートでは、自宅、カフェ、コワーキングスペースなど「いつ、どこで働いてもよい」のがルールだ。個々人の事情と生活パターンに合った柔軟な働き方を可能にするために、ルールは最低限のものにして、細かなルールはなるべく作らない方針だと古賀氏は説明する。

 「たとえば独身で一人暮らし、子育て世代、家族の世話が必要など、社員それぞれがさまざまな事情を持っている。なので、個々人に合わせて細かなルールを作るのではなく、むしろルールを『作らない』ことで、いろんな働き方、生活パターンに合わせられるようにと考えている」(古賀氏)

 同社では定期代の支給を廃止し、オフィスも3分の1規模に縮小して、代わりにリモートワーク手当を全社員に支給している。自宅の電気代やコワーキングスペースの利用料などに充ててもらうことを意図しているが、実際に何に使うのかは社員の自由だ。たとえばこれも、「ルールを作らない」の一例だろう。

「SAWS(サウス)では、単に全社員でテレワークというだけでなく、われわれの働き方、生活全体をデザインしていくことを目指している」(古賀氏)

 柔軟な働き方を実現したことで、業務がむしろ効率的に回るようになった部分もあるという。たとえば、同社は少人数の会社なので、社員が夏休みや冬休みで実家に帰省する際には、その社員の担当業務が止まってしまうという問題があった。だが現在の制度ならば、たとえ長期休暇を取っても半日単位で、実家にいながらリモートで働くことができる。

 また、介護など親の世話をしながら働く社員にも好評だという。ある社員は、大阪に住む親の面倒を見るために月に3回、東京~大阪間を往復している。どこでも働ける制度ができたことで、新幹線の移動中、あるいは病院での待ち時間などに業務を進めることが可能になった。

 「その社員は『以前の制度ならば有給休暇がなくなっていたと思う』と言っていた。移動するからこの日は有休を取る、ということがなくなったので、大阪から帰ってきてちょっと疲れたなとか、本当に自分が必要なときに有休が使える」(古賀氏)

 リモートワークを実践するうえでは社内コミュニケーションが大きな課題になるが、シックス・アパートの場合はチャットツールの「Slack」、IP電話会議、さらにWeb会議システムの「ZOOM(ズーム)」などを活用している。そして古賀氏は、「コミュニケーションは以前よりも活発、かつ濃密になっている」と見ている。

 「(社員はお互いに)社内にいないので、さっき見てたでしょ、聞いてたでしょというのが通用しない。そのためコミュニケーションは活発、濃密にならざるを得ないのでは」(古賀氏)

シックス・アパートでは“SAWS”ブランドで、在宅勤務/リモートワーク支援製品を展開していくという。第一弾として会社と自宅を簡単にVPN接続できるデバイスが紹介された

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