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ヤマハのWeb会議用マイクスピーカーの臨場感は働き方を変える

テレワークの伝道師 田澤由利氏と語る「距離と時間を超えるテクノロジー」

2017年10月12日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders 写真●曽根田元

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働き方改革が日本企業に大きな地殻変動を起こしつつある中、「ICTを活用して、場所や時間を有効活用する柔軟な働き方」を実現するテレワークのあるべき姿を提言し続けているテレワークマネジメントの田澤由利氏。そんな田澤氏がテレワークの伝道師になるまでの背景と、日々利用しているヤマハのWeb会議用マイクスピーカーについて聞いた。(以下、敬称略 インタビュアー:Team Leaders 大谷イビサ)

「田澤さんのように働きたい」の声から会社設立

大谷:以前、イベントでごいっしょさせてもらって以来、ご無沙汰しております。さて、今回は働き方改革を実現するテレワークのテクノロジーについてお聞きしたいと思います。その前段として、まず田澤さんがテレワークに関わるまでの道のりを教えてください。

田澤:大学卒業後、就職したシャープでパソコンの商品企画を担当していました。商品企画ってすごく楽しいんです。朝から晩まで働いても全然苦でないくらい幸せな日々だったのですが、結婚や出産などがあり、主人も転勤族だったので、仕事を辞めざるをえなくなりました。私もシャープを辞めたくなかったし、上司も「辞めるな」と言ってくれたのにもかかわらずです。このときの経験が、今の私の原点にあります。

ワイズスタッフ代表取締役、テレワークマネジメント代表取締役 田澤由利氏

その頃は男女雇用機会均等法が施行された直後でしたが、決められた時間に会社に行かないと働き続けられませんでした。当時はそれが当たり前でしたが、そんなことをしていたら女性は結婚や出産があったら仕事を辞めなければならないし、男性だってけがや病気で仕事を続けられないことになります。離れたところでも、時間にしばられず、仕事を続けられる方法はないか模索した結果、そのとき私はフリーライターになったんです。

大谷:在宅勤務やテレワークがなかったので、自営という道を選んだんですね。

田澤:はい。フリーライターとして、家のパソコンで記事を書いて、それをメールで納品すると、きちんと原稿料をいただけるようになりました。その間、夫の転勤が5回あり、3人の娘の子育てもしましたが、とにかく仕事は続けられてハッピーでしたね。

1997年頃、私は夫の転勤で北海道のオホーツクにある北見市にいました。そんな田舎でパソコンを使って、家で仕事をしている女性がいるぞということで、けっこう取材を受けることになったんです。カメラ2台でクルーが来て、当時の人気番組にまで出てしまったんです。

大谷:在宅で仕事をしている人自体が稀少だったんですね。

田澤:そうなんです。すごく取材されて、自分ってひょっとしてえらいのかな?とか思いましたが、たまたま私みたいな働き方を北海道でやっている人が少なかっただけなんです。でも、取材を受けた結果、「田澤さんみたいに家で働きたい。どうすればいいですか?」という質問がいっぱい来るようになりました。とはいえ、そんな人に「在宅ライターになりましょう」と言うわけにもいかない。つまり、そのときは答えがなかったんです。そして、その答えを作るために、ライターを辞めて会社を作りました。

大谷:それが今のワイズスタッフになるんですね。

田澤:はい。いわゆる単価数十円の内職ではなく、時間や場所にとらわれずにちゃんと働ける環境を日本に広めたいと思って、20年前にワイズスタッフを立ち上げました。そこでは会社を辞めて、埋もれている人たちに業務発注の形で仕事をしてもらうようにしたんです。しかも、単に「仕事やっておいてね」ではなく、ネット上にオフィスを作り、みんなで話し合える環境をコンセプトとして掲げました。「ネットオフィス」と言っていましたが、当時は「何言ってるんだ、このおばさんは」と誰も相手にしてくれませんでした(笑)。

大谷:確かに当時はインターネットも低速でしたし、そうなりますよね。

ニーズも市場もなかった中で始めたテレワークのコンサルティング

田澤:そこから10年くらいがんばって、離れた場所でどうやったら仕事できるか、どうやったらマネジメントできるかを模索しながら、結局契約テレワーカーは150人まで増えました。

大谷:おおっ。150人なんてすごいじゃないですか。

田澤:でも、10年で150人です。少ないと思いませんか? 20年経っても300人にしかならないんですよ。これじゃあ世の中変わらない、企業を変えていかないとダメだと思って、10年前に立ちあげたのが「テレワークマネジメント」という会社になります。テレワークマネジメントは、企業に正しいテレワークを導入するためのコンサルティングを提供する会社です。

大谷:私から見ると、田澤さんはこちらの会社のイメージが強いです。今から考えると、先見の明がありましたね。

田澤:でも、その会社を立ち上げたときは、ある男性から「未来を変えるすごいビジネスだと思う。でも、市場もなければニーズもない。それではビジネスは成り立たないんだよ」と言われました。この言葉は今でも忘れていません。確かに当時は誰もテレワークをやろうなんて思っていませんでしたし、テレワークのために企業がお金を出すというニーズもなかったんです。

大谷:しかし、その空気は確実に変わりましたよね。実際、田澤さんはいろいろなところで講演し、政府にもきちんと意見を言える立場になっています。

田澤:はい。10年間、本当に苦労しましたが、今は働き方改革や女性活躍の文脈の中で、テレワークが注目されるようになり、この1~2年でまさにニーズが顕在化しつつあります。ようやく企業へのコンサルティングでお金をいただけるようになったんです。

ここまで経歴について長く話してきましたが、ネットで仕事をするという概念はまだまだです。在宅勤務といっても、単に仕事を切り分けて、家でやっているに過ぎません。でも、これだと働き方改革の本当のメリットを得ることは難しいんです。だから、仕事のやり方、道具、ルール、極端な話、ビジネスモデルすら変えていかないと、働き手が少なくなるこれからの時代に対応できなくなります。こういったテレワーク全体の戦略を支援させてもらっているのが、テレワークマネジメントです。

大谷:現在、テレワークの定義とメリットを簡単に教えてください。

田澤:従来テレワークは「ICTを活用して、時間や場所にしばられない働き方を実現する」という定義だったのですが、これだと働く方は「監視されて昼夜問わず働かされる」という抵抗感を感じますし、一方の経営側は「目の届かないところで好き勝手に働かれる」と思うようです。

そのため、昨年国は定義を「時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」に変えました。よく誤解されるのですが、テレワークの本質は好き勝手な「自由」ではなく、選択肢が拡がる「柔軟」なんです。こうした柔軟な働き方を実現することで、人手不足や女性活躍、介護離職などのさまざまな問題に対応していけるというのが、テレワークのメリットです。

田澤さんの1週間とどこでも仕事するためのグッズを探る

大谷:田澤さんのFacebookを見てみると、本当にいろいろなところを飛び回っていらっしゃいますが、いつもどんな感じで1週間仕事をしているんですか?

田澤:今週のスケジュールを見てみましょうか。土曜日は知床半島で船からヒグマを見て、日曜日はカーリングのオリンピック日本代表決定戦を見ました。当日ふらっといってたまたまチケットがあったからよかったんですが、なにせ軽装で行ったので、6℃のカーリング会場はすごく寒かったです(笑)。

こうやって地方で楽しく土日を過ごして、月曜日の朝一便で東京に参りました。その後、企業の研修に行き、取材をして、夜は大学の講義のためのキックオフミーティング。火曜日は新幹線で奈良に向かって、生駒市のサテライトオフィスでイベント。その後、大阪の企業を訪問し、取材を受けて、夜はいとこといっしょにご飯を食べました。水曜日は関西の企業を訪問して、最終の新幹線で東京に着き、本日の取材に至るという感じです。

大谷:パワフルですねえ。私もいろいろなところに取材に行きますが、会社がある飯田橋を中心に山手線の中でいろいろ動いている程度ですからね。でも、田澤さんって、本当にロードウォーリアーというか、日本全国いろいろなところに動きながらつねに仕事しているじゃないですか。

田澤:今週は東京、大阪、奈良の3箇所なのでまだいいですが、毎日いる場所が違うときもあります。朝起きて「あれ?ここ、どこだっけ?」みたいな(笑)。そういうテレワーカーにとって、各オフィスとのコミュニケーションはものすごく大事です。

大谷:次にお聞きしたいのはまさにそこです。ずっとケータイで電話しているわけないと思うので、いろいろなツールを使い分けていると思うんですが。

田澤:コミュニケーションといっても緊急性や話す内容によっていろいろあるので、ツールを使い分けてますね。では、普段持ち歩いてるグッズ系の話をしていいですか? こんな感じです。

モバイルルーターやスマートフォン、ケーブル、マイクなどガジェットがいっぱい

大谷:ガジェット好きな田澤さんが降臨してますね(笑)。

田澤:まず電話は情報収集用のスマホと音声通話用のガラケーの2台持ちです。どちらか忘れたら、連絡付かなくなってしまうので、やはり2台必要です。PCはSurfaceで、Web会議やプレゼン用に小型モニタとスピーカーも持ち歩いています。あとは、モバイルルーターも2台持ち。

大谷:電池と通信が命とは言え、ルーター2台はさすがに珍しいですね。

田澤:その他、ケーブル、バッテリー、講演用のポインターなど。これらをすべて1つの鞄に入れて、生きています。

これらを持ち歩いていれば、どこでも会議できるし、プレゼンもできるし、リモートから社員に注意することも、ほめることもできます。ネットやツールがなかった昔がまさに嘘のような時代です。でも、会社の中でずっと仕事してきた人たちにとってみたら、突然テレワークと言われても無理だと思うみたいです。実際にやってみたら、「けっこうできるな」と感じるはずなので、単に思い込みなんですよね。それをほぐすのが私の仕事です。

愛称「おにぎり」のヤマハのマイクスピーカーをフル活用

大谷:そういった日々のテレワークの中で、ヤマハのマイクスピーカーを愛用していると聞きました。

田澤:はい。メンバーのうちで外回りをするメンバーは、どこでもWeb会議ができるようにヤマハのマイクスピーカーを持ち歩いて使っています。

大谷:すごい! 持ち歩いているんですか。

田澤:三角形なので、うちでは「おにぎり」と呼んでみんなで使っています(笑)。やはりテレワークのコンサルティング会社なので、先を行かなければいけないんです。5年後には、持ち歩く社員が増えると思うので。だから、もう少し小さくなるとうれしいなあと(笑)。

「『おにぎり』と呼んでみんな使っています」(田澤氏)

大谷:おそらく持ち運びをそれほど想定していないんでしょうね。実際に使ってみていかがでしたか?

田澤:品質がいいのは本当に間違いない。なにしろ音質がすばらしいです。ただ、多少高いのも事実なので、会社の経営者としては安価な製品を選ばなければならないこともあります。

そう言えば、ここにあるのは、うちのおにぎりより大きい機種ですね。ちょっとこのヤマハのスピーカーで試してみてよいですか? 仕事中のうちのネットオフィスに、いきなり社長が入ってくるというのをネット上でやってみましょう(笑)。

大谷:そうか。田澤さんの会社ではリモートでも「みんな、きちんと仕事してる?」ができるわけですね。スタッフとしてはけっこういやな状況ですね(笑)。

田澤:みなさん、おはようございまーす。

スタッフ:おはようございます!

田澤:今日の私の声、ちょっときれいだと思わない?

スタッフ:そう言えば、そうですね。いつもよりクリアな音です!

田澤:いつもは小さめなおにぎりを使っているけど、今日はヤマハの大きなおにぎりを使っているんですよ。

大谷:実際、使ってみると、やはり臨場感ありますよね。スピーカーから出てくる声が、すごく近くに感じます。

田澤:日本人はフェイスツーフェイスが好きなのでWeb会議に映像はあったほうがよいのですが、多少カクカクしてもいいんです。でも、音には絶対こだわりたい。言葉は途切れてしまったら、コミュニケーションは成立しないので。

<後編に続く>

(提供:ヤマハ)

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