myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第20回
コミックマーケット92の二次創作人気を調査
夏コミはFateが劇的拡大! ユーリも人気/恒例の次回サークル数増減予想も
2017年08月08日 17時00分更新
コミックマーケット92は8月11日から13日の3日間開催
2017年8月11日(金)から13日(日)にかけて、東京お台場の東京ビッグサイトにおいて同人誌即売会「コミックマーケット92」が開催されます。
過去最大規模となった前回から一転、今回は西2ホールの工事などで西1・2ホールの配置がなく、約3400減の約3万2300サークルが参加。ビッグサイト3日間開催が定着した2006年以来の過去10年で最小規模のコミックマーケットとなりました。
第二期第16回では「コミックマーケット91」に関しての記事を書きました。今回はコミックマーケット92のサークル数の動向と、人気作品のpixivでの動きをみていきます。
これまでの回でも説明した通り、コミックマーケットではジャンルコードという仕組みがあり、これを目安にどういった分野のサークルがどれくらい参加しているかを調べることができます。今回の参加サークルの比率はグラフ1の通り。
今回も大きくは変わりませんが、ギャルゲー・評論・アニメが増加、マンガと芸能系が減っています。
この連載ではコミケの6~7割を占める二次創作サークルについて注目し、作品ごとのサークル数をカウントしています。数え方については以前の記事で細かく説明しましたのでそちらをご確認ください(第1期第39回の囲みコラム「サークルの数え方」参照)。
今回のコミックマーケット92のサークル参加申し込みは、郵送が1月3日から2月8日、オンラインが2月1日から16日まででした。このため今回のデータは“2017年1~2月頃にコミックマーケット92に申し込んだ同人サークルがどのような作品に関する同人作品の頒布を予定していたか”が反映されている数字となります。
現在のものではありませんし、あくまでコミックマーケット内での参加の規模を見ているものです。コミックマーケットは比較的参加者の年代が高いこと、開催地の関係で関東圏の参加者の割合が多いこと、海外のサークルは参加しにくいなどの偏りがあり、同人サークル全体の傾向を示すものでもありません。
上記のような事情もありますが、コミックマーケットは最大の同人誌即売会であることから、一定の参考になると評価してご紹介しています。これらをふまえてご覧ください。
読めない東方・おそ松さん、今回も増加が目立つFate・ガルパン
上記の方法で調べたコミックマーケット92で多かった作品はグラフ2の通りです。参考にコミックマーケット91での数も載せています。なお「ワールドトリガー」「ヘタリア」「血界戦線」「僕のヒーローアカデミア」は上位ではありませんが前回予想したため参考に載せています。
トップは今回も「艦これ」。以下「東方Project」「アイドルマスター」「刀剣乱舞」「Fateシリーズ」「ラブライブ!」などのサークルが多く、刀剣乱舞の下降とFateの拡大が目立ちます。
前回の予想と結果をまとめると下記の通り。なお、前回は過去最大規模、今回は過去10年で最小規模となり、前回との増減は全体からの比率を考慮して比較しています。このため実数は減少しているのに微増となっているタイトルもありますのでご了承ください。
全体としては20作品中17作品でほぼ的中。的中数は前回より下がりましたが、増加を予想して減少など大きく外した例はなし。
「東方Project」「おそ松さん」は計算上増加だったものの過去の傾向を考慮して微減を予想しましたが、上回る減少をしていました。これらのタイトルは何度も外していますので、現在予想に使用している要素以外にもコミケ離れの要因があるのかもしれません。
「進撃の巨人」は僅差で前回より予想レンジを厳しくとった影響。アニメ化期待もあってかほぼ現状維持に。新作「ユーリ!!! on ICE」は予想通り数百サークルの参加でした。
大きく伸びたのは前回と同じく「Fateシリーズ」と「ガールズ&パンツァー」。Fateはスマホゲーム「Fate/Grand Order」が劇的なヒット、倍以上の大幅増となりました。
女性人気では新作「ユーリ!!! on ICE」がヒット。次回からジャンルコードも独立するようです。また「Fateシリーズ」拡大の背景には女性人気も見られます。一方、その他のタイトルは女性人気トップの「刀剣乱舞」など減少傾向でした。
男性向サークル数TOP3は艦これ・Fate・アイマス
グラフ3では、作品が該当するジャンルコードと、その他のジャンルコードで分けたサークル数をグラフにしてみました。
ジャンルコード「男性向」について見ると、今回も一番参加が多いのは「艦隊これくしょん」。次いで急増した「Fate」が2番手です。艦これはトップですが減少、前回2番手だったグラブルも低下。アイマスが維持、ガルパンが増加で、「アイドルマスター」「ガールズ&パンツァー」「グランブルーファンタジー」がほぼ横並び。男性向だけを見るとソシャゲ女性キャラ人気がグラブルからFGOに移ってるような値の動きです。
「東方Project」で同様の傾向(男性向)のサークルは、これまでも紹介している通りジャンルコード「東方Project」内で申し込まれることが多いためこちらは少ないです。
作品サークル中の「男性向」ジャンルコードの比率では艦これ・アイマス・ガルパンはほぼ前回同様。グラブル・ラブライブは低下。一方、Fateは倍近くの増加です。
ジャンルコード全体の動きとしては今回もFate人気で「TYPE-MOON」が前回比1.8倍・前年比3倍の拡大。アナログゲームブームか「ゲーム(電源不要)」も増加中。新しい動きでは「FINAL FANTASY XV」がヒットしており「スクウェア・エニックス(RPG)」も増えています。
ほかユーリ人気の「アニメ(その他)」、男性向ソシャゲが複数ヒット中の「ギャルゲー」、継続して増加中の「評論・情報」「コスプレ」なども増加しています。
一方で「FC(ジャンプその他)」ほかの週刊少年ジャンプ関連は全体に低下。ほか今回も「TIGER&BUNNY」「ヘタリア」「スポーツ」などが減少しています。100サークルを切った「スポーツ」は次回から「TV・映画・芸能・特撮」に統合されることになりました。
ジャンルコード別のサークル数の細かい数字はブログにてすでに公開していますのでそちらをご参照ください。
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