最新パーツ性能チェック 第215回
32GBモデルをIntel SRTでも使ってみた
Optane Memoryが実はDドライブのキャッシュでも使えるという事実
2017年06月26日 14時00分更新
実はIntel SRTなら起動ドライブ以外でもOptane Memoryをキャッシュで使える
最後に本来のOptame Memoryの使い方ではないが、Intel SRTを利用してストレージを加速する場合の効能について解説しよう。Optane MemoryをIntel SRTで利用する最大のメリットは、OS起動に利用するシステムドライブ以外のドライブのキャッシュに利用できるという点に尽きる。プラットフォーム機能で利用すると、Optane Memoryをシステムドライブ以外のキャッシュに利用できないが、Intel SRTならシステムドライブ以外のドライブのキャッシュに利用できる。
加えて、Intel SRTで利用するなら、Intel 200シリーズチップセット搭載マザーボードなどの対応機器も不要だ。Intel 100シリーズチップセットなどでもOptane Memoryをキャッシュとして利用できる。その際の設定方法は、Intel 200シリーズでOptane Memoryを手動でセットアップする方法と同じ方法で行なえる。
しかし、Intel SRTはキャッシュに利用するSSDの最低容量に制限があるため、32GBのOptane Memoryでのみこの方法で利用できる。16GBのOptane Memoryは、容量がOSで認識される容量が16GB未満となるため利用できない点には注意してほしい。
実際にOptane MemoryをIntel SRTで使って、データ保存用HDDを加速してみたが、その性能はプラットフォーム機能でシステムドライブを加速したときと遜色ないものとなっている。例えば、Intel SRTの最速モード(ライトバックキャッシュ)で利用すると、CrystalDiskMarkの結果は、プラットフォーム機能と同様にOptane Memoryそのものとほぼ同等となる。
また、体感速度を計測する「PCMark 8」のスコアーは、Intel SRTを利用していない状態(HDD単体時)の2倍以上となった。これだけの性能が得られるなら、Optane MemoryをあえてIntel SRTで利用するという方法もアリだろう。
ライトバックキャッシュで利用する最速モードの速度は、Optane Memoryを単体SSDとして利用したときと同等にまで高速化された。ライトスルーキャッシュで利用する拡張モードでは、ライト速度はキャッシュ設定前のHDDから大きな変化はない。
また、PCMark 8のストレージテストの結果は、Intel SRTで高速化することでスコアーが2倍以上も高くなっている。
PCMark 8はリードが主体のテストが多いためか、Intel SRTの動作モードによってのスコアー差はほとんどない。
大容量になっていくPCゲーム格納用DドライブにはSRTがオススメ
特に最近のPCゲームは大容量化が進んでおり、標準インストールで20~30GBは当たり前の世界だ。追加のシナリオをインストールするとさらに数十GB追加するゲームも増加している。そんな時に、OSの起動はNVMe/SATA SSDを行ない、HDDにゲームをインストールした上でOptane Memoryを利用したIntel SRTで加速すれば、SATA SSDと同等以上の性能を比較的安価に手に入れることができる。
SSDは安価になったとは言っても1TBクラスの製品は、SATA SSDでも3万円を超える製品が多く、HDDと比較するとコストパフォーマンスは高くない。しかし、32GBのOptane Memoryと3TBのHDDなら、セットで購入しても2万円前後だ。Optane Memoryのコストパフォーマンスは、利用方法によっては非常に高いので検討する価値は十分あるだろう。
特にゲームはインストール済みのデータを毎回すべて読みだすわけではない。マップデータやレンダリング用のデータなど、一部のデータを読み出す場合が多いので、キャッシュの容量も32GBで十分なケースが多いはずだ。HDDにゲームをインストールし、Optane MemoryをIntel SRTで加速するという利用方法は、Intelの公式サポートの使い方ではないが、個人的にオススメしたい利用法だ。
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Optane Memory

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