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働き方改革とG SuiteがGoogle Cloud Nextのもう1つのテーマ

ファミリーマートはGoogle Cloudと企業文化をセットでインストール

2017年06月16日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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機械学習を使えばクリエイティブな時間を捻出できる

 続いて登壇したGoogle Cloud G Suite部門 バイスプレジデント プラバッカー・ラガバン氏は、こうした働き方改革にG Suiteがどのように寄与するか、テクノロジーでどのように働き方を変えるかについて説明した。

Google Cloud G Suite部門 バイスプレジデント プラバッカー・ラガバン氏

 ラバガン氏が指摘したのは、「ホワイトカラーは就業時間の5%しかクリエティブな仕事に使えていない」という調査報告。残りの95%は会議や業務の調整に時間を費やされ、次の仕事を進めるために誰かの情報や指示を待つという時間も発生しているという。しかし、G Suiteを利用すれば、テクニック、機械学習、コラボレーションを駆使して、クリエイティブな仕事の時間を増やすことができるという。

全体の5%しかクリエイティブな作業に使えていない

 たとえば、今までの資料作成は、誰かが編集するのを待ち、終わったらメールに添付し、次の人に回していくという流れが一般的だ。待ちきれない人が違うバージョンを作成したら、それをマージする作業が発生し、さらに時間が浪費されることになる。グーグルはこうした無駄を排除すべく、同時編集できるGoogle Docsを開発した。これが今よりも10年以上も前のことだ。こうしたG Suiteの導入でユーザーであるPwCは、週の労働時間を9時間短節約することができたという。また、昨年末に発表されたApp Makerを利用すれば、ドラッグ&ドロップでG Suiteのアプリを開発することができる。

 さらに、機械学習を活用することで、これらの時間をもっと短縮することができるという。たとえば、Gmailでは迷惑メールを振り分けたり、スマートリプライの機能で自動返信することも可能になった。人間の創造性を機械が置き換えるわけではないが、人工知能が人間ができることを高め、機械ができることも高められるいうわけだ。ラバガン氏は「機械はベートベーンのようなシンフォニーを作ることはできないが、シンフォニーを作るための時間を捻出することはできる」と語る。

 GoogleDriveのクイックアクセスも機械学習によって実現されている。クイックアクセスは数多くのファイルの中から、ユーザーがアクセスする可能性の高いものをピックアップしてくれる。「GoogleDrveのファイルの約4割以上は、すでにクイックアクセスから開かれている。これも時間短縮につながる」(ラガバン氏)。複数ユーザーの会議の時間調整や会議室の予約も、Googleカレンダーによって自動的に設定できるという。

 ラガバン氏は個人ではなく、チームでの生産性向上にフォーカスした機能を紹介する。月間のアクティブユーザーが8億人にのぼるGoogle Driveの最新版では、複数のユーザーで共有・同期できる「チームドライブ」をサポート。また、Google VaultではGoogleDriveやメール、ハングアウトチャット、Googleグループのアーカイブを実現。データの保持や記録保持、検索、書き出しを行ない、電子情報開示のニーズに対応きる。

 デモでは柔軟なチャットやビデオ会議が可能なハングアウトチャットや資料共有に最適なハングアウトMeetなどの特徴を紹介。新しいハングアウトMeetは既存のシステムから一新されており、性能や音声の品質も大きく向上しているという。さらに、国内では2018年に登場予定のクラウド対応ホワイトボード「Jamboard」も披露。ハングアウトMeetで画面を共有しつつ、手書き文字を自動認識したり、付箋や写真を貼り付けたりといった操作を披露した。

Google Cloudと連携するJamboardのデモ

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