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仕事を手助けしてくれるオンラインアシスタント「Caster Biz」を体験してみた

連載
柳谷智宣の「スタートアップDive!」

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 人を雇用する、というのは実は相当に負担が大きいもの。給料だけを用意すればいいわけではないのだ。しかも、あれもこれもと日々変化する仕事を投げ続けていくと、辞めてしまうことも多い。そんな悩みを抱えていたところ、オンラインアシスタントサービス「Caster Biz(キャスタービズ)」を体験できることになった。チャットツールで依頼した業務をこなしてくれるサービスだ。

チャットで依頼した業務を、Caster Biz経由で全国にいるアシスタントに処理してもらえる

Caster Biz
プラットホーム ウェブ 企業名 株式会社キャスター
代表取締役 中川祥太 設立 2014年9月
取引形態 BtoB 利用料金 8万4000円~/月

忙しい人をサポートするオンラインアシスタントサービス

 「CasterBiz」は、さまざまな仕事をネット経由で依頼できるアシスタントサービス。クラウドソーシングとは異なり、CasterBizが厳選したスタッフに仕事を頼めるのが特徴だ。同社のウェブサイトを見ると、結婚や出産、介護などで通勤できなくなったり、地方企業に就職したがキャリアアップを目指す人たちを募っているという。確かに、優秀なのに何らかの理由でフルタイムで働けないという人はたくさんいそうだ。

 CasterBizのウリは秘書だけでなく、人事や経理、ウェブサイト運用といったスペシャリストが多数在籍していること。さらに、窓口は専門スタッフが付き、それぞれの業務に合わせて適した人に振ってくれる。そこのハンドリングが不要なので、ユーザーとしては、なんでもできる万能な秘書に手伝ってもらう感じなのだ。

 月に合計30時間までの作業を依頼でき、やりとりはチャットサービスなどを利用する。基本的にはリアルでは顔を合わせないのだ。何はともあれ、体験してみよう。2時間までの無料体験プランもあるのだが、今回はまる1ヵ月体験させてもらった。

 依頼や報告、納品などに使うチャットサービスは、Facebookメッセージでもいいし、「Slack」(柳谷智宣の「神アプリの説明書」 ― 第95回 ITクラスタで決定版チャットアプリ「Slack」を徹底解説を参照)でもグループウェアでもなんでもいい。今回は、「ChatWork」(柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 ― 第161回 ビジネス版の「LINE」!? 「ChatWork」を活用するワザを参照)を使ってみる。

キャッチコピーの100人に1人というのは、採用倍率が100倍オーバーということを表している

「チャットワーク」でやりとりすることにした

細かく正確なコミュニケーションでミスを防止してくれる

 チャットワークでやりとりが始まったら、すぐに「キャスタービズ導入マニュアル.pdf」が送られてきたので目を通す。対応してくれるのは平日の9時から18時までで、13時から14時は休憩するとのこと。可動はがっつり8時間というわけだ。

 業務で使うパスワードなどはパスワード共有サービス「LastPass」(柳谷智宣の「神アプリの説明書」 ― 第83回 大量のアカウントをiPhoneでまるっと管理できる「LastPass」を徹底紹介を参照)を利用する。同社のセキュリティー管理担当者にはパスワード閲覧可能な状態で共有するが、その先のアシスタントへの共有時は閲覧不可状態なので、無制限にアカウントの情報が広まることもない。

 作業の流れとしては、依頼したら見込み時間の見積もりが来て、依頼を確定すると作業開始。作業したら、確認して、完了となる。まずは、簡単にできそうなテープ起こしを頼んでみる。インタビューや講演などの様子を録音した音声ファイルを聞きながら、テキストで入力する作業だ。

 特に迷うことはないだろうと、テープ起こしおまかせします、と依頼した。原稿作成の補助に使うので、完璧でなくてもよく、無駄な音声は起こさなくてもいいし、単語のファクトチェックも不要と伝えた。すると、すぐにがっつりと確認事項が返ってきた。納品形式や語調、英数字の半角/全角、聞き取り不明箇所の表記、笑い声はどうするか、整文など、細かい部分までリストアップ。確かに、そのあたりを指示しないと、無駄な作業が発生したり、納品物が使えないという状況になりかねない。このコミュニケーションはありがたいところ。こちらの指示不足をきっちりフォローしてくれるのだ。

 確認を行ない、見積もりを見てOKを出すと、22日18時納品予定とのこと。もちろん、当日16時にはワードファイルで納品された。テープ起こしは音声を聞いてタイピングするだけなのだが、実は人によってものすごくクオリティーに差が出る。半分お試しの感覚だったのだが、想像よりもはるかにきっちりと起こしてくれていた。なお、見積もり時間は5~6倍だった。ちょっと長いのでは? と思ったが、マニュアルによるとテープ起こしに限っては所要時間の見積もりが1分当たり5分~と決まっているためだ。

まずは導入マニュアルに目を通す

初日の業務がスタート。時間ぴったりにbotが挨拶してくれる

ざっくりと依頼したらがっつりと確認事項が返ってきた

業務が終了すると、その月に依頼できる残り時間が表示される

取材が終わったので、チャットワークで音声ファイルを送る。1時間9分の音声で見込み時間は350~420分とのこと

締め切りの2時間前にきっちり送られてきた

十分なクオリティーのテープ起こしだった

適当に投げても想像以上にきっちりさばいてくれるのに感動

 テープ起こし以外にも、いろいろな業務を頼んでみた。たとえば、リサーチ。「お酒をテーマとするオウンドメディア」のリスト作成を依頼した。個人的に読んでみたいし、できれば営業をかけて執筆してみたいからだ。条件は、大手で現役のところを10個とした。すると、6時間後にGoogleドキュメントで提出された。

 11件リストアップされていたのだが、サービス名称とURLは当然として、メディア種類、運営会社、お酒の種類、最終更新日などもきっちり作っている。一番びっくりしたのが、説明や特徴をがっつり書いていたこと。こちらの指示で何を求めているのかを察し、時間内にさくっとまとめる技量は驚き。

オウンドメディアのリストの作成を依頼

レベルの高い表が速攻で戻ってきた

 次は、原稿チェックもお願いしてみた。すると、ワードファイルにコメントを入れてくれた。校閲のプロではなさそうだが、ちょっと言い回しが変だな、というところを指示してくれている。今回は、自分で推敲したあとの原稿を送ったが、初期段階で投げても対応してくれそうな感じ。

原稿を送って確認してもらうことにした

読者の視点での突っ込みは本当に参考になる

 筆者が苦手ですぐに三日坊主になるのが、掲載履歴の紹介。自分の記事が公開されたら、SNSなりブログなりに登録して公開したいのだが、すぐにやめてしまうのだ。そこでこの作業をお願いしてみた。今回はFacebookページの編集者として、スタッフを招待し、投稿してもらった。

 これもまた、非常に細かい報告で、FacebookがおかしくてURLが投稿できない時も丁寧に対処してくれた。ほとんど作業時間が減らず、面倒な作業から解放されたのでとてもラッキーだった。

連載の新着を確認し、投稿してもらうように依頼

見積もりは30分前後とのこと

毎日アップしてくれて、詳細な報告が来る

苦手な作業をアウトソーシングできたのはとてもラク

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