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de:code 2017基調講演では切っても切ってもAIだらけ

PFNとの提携も発表!想像を超えるマイクロソフトのAIフォーカス

2017年05月24日 08時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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データレイクにもAIを組み込み、ディープラーニング用のVMも

 ここまではデータベース自体がインテリジェントを持つケースだったが、マイクロソフトはデータレイク自体にインテリジェンスを持たせる「Intelligent Lake」も提案する。具体的には、Spark/Hadoopクラスターである「Azure HD Insight」を用いたり、サーバー不要な「Azure Data Lake」サービスを用いることだ。

データレイクにもインテリジェンスを持たせる

 このうち後者のAzure Data Lakeではすでに6つのCognitive機能が実装されており、顔の解析や画像のタグ付け、感情分析、OCR、テキストから重要語句の抽出、テキストの感情分析などが可能だ。これによりペタバイトクラスのデータ、しかも構造化データとコンテンツをまたいだ「Big Cognition」が実現し、さまざまなデータセットを異なるユーザーに提供できる。

 そして、第3の方法がずばりディープラーニングだ。ディープラーニングはすでにインターネットやクラウドの世界にとどまらず、医学・生物学、メディア、生物学、自動運転でも用いられている。シロシュ氏はニューラルネットを用いたディープラーニングとドローンによって、送電線の検査を実施しているノルウェイのeSmart Systemsのビデオを披露した。

 こうしたディープラーニングを動かすためにマイクロソフトが提案するのが、「Azure Data Science Virtual Machine」だ。これはメジャーな分析ツールがインストール・構成された仮想マシンで、Azure GPU VMにディープラーニングの拡張機能がすでに組み込まれて提供される。SQL ServerやR Serverの開発者版も組み込まれており、Azure Batchも利用可能だ。

Azure Data Science Virtual Machine

 壇上には先ほど提携を発表したばかりのPreferred Networks リサーチャーの齋藤 俊太氏が登壇し、Azure Data Scence VM上でのChainerのデプロイを披露。深層学習モデルをすぐに試せるという。さらにChainerとAzureを活用し、白黒のペン画に着色を自動で行なう「PaintsChainer」を紹介し、マイクロソフトの千代田まどか氏が書いたイラストに着色して見せた。

千代田氏の書いたモノクロイラストを着色するPaintsChainer

 データ戦略について説明してきたシロシュ氏は、インテリジェントなデータベースとデータレイク、ディープラーニングサービスなどでAIを手軽に利用できるとアピール。「5億3000万年前のカンブリア爆発と同じようなインテリジェンスの爆発で、私たちの世界は大きく変わっていく」とまとめた。

 HoloLensの開発を主導してきた米マイクロソフトのアレックス・キップマン氏が登壇したラスト1時間は、MR(Mixed Reality)が描く未来を魅せたまさにショータイムであった。事例やプロモーションの動画を大きくフィーチャーする形でセッションは進行。HoloLensのみではなく、そこから生まれる未来像を描くスタイルは非常に説得力があり、ともすれば2時間費やして説明してきたAIを大きく上回るようなインパクトがあった。

米マイクロソフト Windows/デバイスグループ ニューデバイス部門 フェローのアレックス・キップマン氏

 キップマン氏が強調したのは、MRはARやVRを含む概念で、仮想と現実の境目をシームレスに埋めていく包括的な技術的であることだ。また、日本でのHoloLensの盛り上がりが高く、コミュニティが非常にエキサイティングであることに感謝の意を示した。

B2Bを含む幅広い領域での活用が見込まれるHoloLensの世界観

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