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「Amy Schumer + Torrent」の検索は危険!? 有名人検索のリスクを知る

2016年10月21日 09時00分更新

文● せきゅラボ

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 インテルセキュリティは10月5日、同社が実施した2016年版「インターネット検索で最もリスクの高い有名人(Intel Security Most Dangerous Celebrities)」の結果を発表した。

 Intel Security Most Dangerous Celebritiesとは、俳優、コメディアン、ミュージシャン、テレビ番組の司会者、スポーツ選手など幅広い有名人をインターネットで検索した際のリスクを調査するものだ。これにより、ファンがウィルスやマルウェアに感染するリスクが最も高いポップカルチャーの有名人が判明する。

 調査方法は、有名人の名前とマルウェアに誘導される可能性がある一般的な検索ワード、すなわち「有名人の名前 + Torrent」「有名人の名前 + Free MP4」「有名人の名前 + HD download」で検索し、危険なサイトの数を特定するというもの。これらの危険なサイトをクリックしたり、写真や動画を含むファイルをダウンロードしたりすると、ウイルスやマルウェアをダウンロードする危険がある。

2016年の調査結果

 今回の調査では、コメディアン兼女優のエイミー・シューマーがインターネット検索で最もリスクの高い有名人になった。また、テレビ番組「Today」のキャスターで「The Voice」の司会者も務めるカーソン・デイリーが3位にランクインするなど、「テレビの有名人をネットで検索する」のは世界共通の習慣になっているようだ。

 日本でもなじみ深い名前を見ると、2位に歌手のジャスティン・ビーバー、4位に俳優のウィル・スミスなどがラインクインしている。

 一方で、2015年は1位にランクされたエレクトロニック・ダンス・ミュージックのDJであるアーミン・ヴァン・ブーレンが、今年はランキング外となっている。ブリトニー・スピアーズ(昨年4位)、ジェイ・Z(昨年5位)もランキング外。インターネット検索のトレンドは1年ごとに目まぐるしく変わるということだろう。

こちらは2015年の調査結果

 この調査結果はアメリカで発表されたものだ。しかし、リアルタイムの情報を求めるために、ポップカルチャーの最新のニュースを検索するユーザーが多いのは日本でも同じ。日本人を標的にするサイバー犯罪ならば、日本の有名人を検索する人々を狙って悪意のあるファイルを仕掛けようと考えるだろう。

 つまり、この調査結果とそこから導き出される対策は、日本で暮らしている人にもリスクを回避する方法を教えてくれるものなのだ。

 サイバー犯罪者は悪意のあるファイルを仕掛ける標的として、なぜテレビ番組や映画関連の有名人を選ぶのか。インターネット検索をより安全に実行する方法とは――インテル セキュリティの調査報告を読めば、その答えがわかる。ぜひ読んで、セキュリティーへの意識を高めてほしい。

今年の1位はコメディ女優のエイミー・シューマー

  • 今回の調査では、コメディアン 兼 女優のエイミー・シューマーがトップにランクイン
  • 10回目となる今回の調査で、インターネット検索でマルウェア感染リスクが最も高い有名人、ミュージシャン、テレビ司会者が明らかに
  • トップ10にはジャスティン・ビーバー、カーソン・ デイリー、ウィル・スミス、リアーナ、マイリー・サイラス、セレーナ・ゴメスなどがランクイン

 インテル セキュリティは、同社が実施した2016年版「インターネット検索で最もリスクの高い有名人(Intel Security Most Dangerous Celebrities)」の結果を発表しました。今回の調査では、コメディアン 兼 女優として人気の高いエイミー・シューマーがインターネット検索で最もリスクの高い有名人になりました。また、昨年1位にランクされたエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)のDJであるアーミン・ヴァン・ブーレンが、今年はランキング外となりました。

 今年で10年目を迎えたインテル セキュリティの「インターネット検索で最もリスクの高い有名人(Intel Security Most Dangerous Celebrities)」では、俳優、コメディアン、ミュージシャン、テレビ番組の司会者、スポーツ選手など幅広い有名人をインターネットで検索した際のリスクを調査しました。そして、この調査によって、これら有名人の最新情報をインターネット検索したファンが、ウイルスやマルウェアに感染するリスクが最も高いポップカルチャーの有名人が判明しました。

 エイミー・シューマーは最も人気のある女性コメディアンで、作家、女優、プロデューサーとしても活躍しています。今回、エイミー・シューマーは「インターネット検索で最もリスクの高い有名人」の第1位にランクインした初めてのコメディ女優という称号も獲得しました。僅差で第2位となったのはジャスティン・ビーバーで、続いて米国の人気番組である「Today」や「The Voice」の司会者、カーソン・デイリーが第3位にランクインしました。シューマー以外にもコメディアンでは、クリス・ハードウィック(第7位)とダニエル・トッシュ(第8位)がトップ10入りしています。ラッパーからハリウッドの人気俳優に転身したウィル・スミス(第4位)も、リアーナ(第5位)、マイリー・サイラス(第6位)、セレーナ・ゴメス(第9位)、ケシャ(第10位)らのミュージシャンと共にトップ10入りしています。

 巧妙化するサイバー犯罪者はこれまでと同様、アワード受賞やテレビ番組、映画のプレミア、音楽アルバムのリリース、有名人の破局など、有名人のニュースに関心が高いユーザー心理を悪用して、マルウェアを仕掛けたサイトに誘導し、パスワードや個人情報を盗み取ろうとしています。インテル セキュリティの調査では、ポップカルチャー関連のニュースに対するユーザーの関心を悪用したハッカーのさまざまな攻撃方法、オンライン上でのリスク、潜在的な脅威から自身を保護する方法についても紹介しています。

“Amy Schumer”と“Torrent(P2Pファイル)”を一緒に検索すると、
33%の割合で悪意あるサイトに誘導される結果に

 エイミー・シューマーがトップにランクインしたことは、米国の人々の地上波テレビ離れの傾向を明確に表しています。ユーザーはこれまでになく、オンラインでストリーミング ビデオ、テレビ番組、映画を視聴しており、ファイル共有やP2P型のファイル共有ソフトであるTorrentも引き続き人気が高まっているため、サイバー犯罪者が悪意のあるファイルを仕掛ける標的として、テレビ番組や映画関連を選ぶことは当然の成り行きといえます。

 今年の調査で最もリスクの高い有名人上位10人は以下の通りです。

コメディアンが多数ランクイン
 今秋からワールドツアーが始まったばかりのコメディアン、エイミー・シューマーが、今年の「インターネット検索で最もリスクの高い有名人」の第1位になりました。「Funcomfortable」で有名なクリス・ハードウィック(第7位)、ダニエル・トッシュ(第8位)もトップ10入りし、ニッキー・グレーザー(第15位)とケビン・ハート(第25位)も上位25人にランクインしました。その他に女性コメディアンとして、 グレース・ヘルビッグ(第26位)、ミンディ・カリング(第30位)、クリステン・ウィグ(第52位)、チェルシー・ハンドラー(第54位)、エレン・デジェネレス(第57位)がランクインしました。

ミュージシャンが上位に
 今年の「インターネット検索で最もリスクの高い有名人」のトップ10には、ジャスティン・ビーバー(第2位)、リアーナ(第5位)、マイリー・サイラス(第6位)、セレーナ・ゴメス(第9位)、ケシャ(第10位)といった、センセーショナルまたはヒットチャートのトップを獲得したポップアーティスト達がランクインしました。ポップ、ラップ、ヒップホップ、カントリーといった分野で活躍するアーティストも上位にランクインしています。上位30位以内には、ドレイク(第13位)、ケイティ・ペリー(第14位)、ジェイソン・アルディーン(第16位)、ジャスティン・ティンバーレイク(第17位)、ジェニファー・ロペス(第18位)、レディー・ガガ(第19位)、ニッキー・ミナージュ(第20位)、イギー・アゼリア(第27位)、ビヨンセ(第28位)、アッシャー(第29位)がランクインしています。

テレビの深夜番組
 テレビ番組「Today」のキャスターで、「The Voice」の司会者も務めるカーソン・デイリーは第3位にランクインしました。また、深夜番組の司会者、セス・メイヤー(第11位)とコナン・オブライエン(第12位)も上位15位にランクインしています。人気番組「Carpool Karaoke」で有名な、司会者のジェームス・コーデン(第23位)に続いて、ジョン・オリバー(第24位)とジミー・キンメル(第32位)もランクインしています。ジミー・キンメルは2014年に第1位、2015年に第26位でした。また、ビル・マーが第34位にランクインしています。

テレビ番組「The Voice」のコーチ役もランクイン
 テレビ番組「The Voice」の最新シーズンにコーチ役で登場する4人のうち3人と、司会者が上位50位に含まれています。そのうち最上位はマイリー・サイラス(第6位)で、続いてアダム・レヴィーン(第41位)、ブレイク・シェルトン(第66位)、シェルトンのガールフレンドで代理コーチ役のグウェン・ステファニー(第49位)がランクインしています。ブレイク・シェルトンと同じ著名なカントリー ミュージシャン、ジェイソン・アルディーン(第16位)とルーク・ブライアン(第39位)も上位に含まれています。

インターネット検索をより安全に実行する方法

クリックは慎重に!
 例えば、エイミー・シューマーが出演しているテレビ番組、「Inside Amy Schumer」の最新エピソードを検索する場合、 外部リンクはクリックしないでください。comedycentral.comなどの正規のサイトからコンテンツを入手することで、悪意のあるコンテンツのクリックを回避できます。

P2P型ファイル共有“torrent”という検索ワードは他のどの用語よりもはるかに危険
 サイバー犯罪者はtorrentを使用して正当なファイル内にマルウェアを埋め込むため、ファイルの安全性を判断しにくくなります。他にも合法で安全なストリーミング方法があるので、torrentの使用は避けたほうが安全です。

個人情報の保護
 サイバー犯罪者は常に個人情報を盗み取ろうとしています。クレジットカード情報、電子メール、自宅の住所、ソーシャルメディアのログイン情報などの入力を求められても、慎重に対応してください。なりすまし犯罪につながるフィッシングや詐欺行為ではないことを十分確認してください。

オンライン検索にはMcAfee WebAdvisorソフトウェアなどのツールを利用
 悪質なWebサイトやブラウザ エクスプロイトから保護するMcAfee WebAdvisorなどのツールで、リスクのあるサイトを特定できます。McAfee WebAdvisorの無料版は、こちらからダウンロードできます。

複数デバイスの保護
 ユーザーは使用場所や使用するデバイス、個人情報の保存場所に関係なく、デジタル環境のあらゆる場面を保護する必要があります。家庭内のすべてのデバイスを保護するソリューションを使用することで、マルウェア、ハッキング、フィッシング攻撃などの脅威から家族を保護できます。

 インテル セキュリティのチーフ コンシューマ セキュリティ エバンジェリストであるギャリー・デイビス(Gary Davis)は、次のように述べています。

 「これまで同様、ユーザーは有名人に関心があり、ポップカルチャーの最新のニュースをオンラインで検索しています。リアルタイムの情報を求めるがゆえに、ユーザーの多くが潜在的なセキュリティ リスクを考慮せずに検索、クリックしています。サイバー犯罪者はこの心理を悪用して、マルウェアが潜む危険なサイトに人々を誘導します。このことから、ユーザーは、安全にオンラインを楽しむためにどのような点に注意すればよいのかを理解しておく必要があります」

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