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PolysixにProphet-5、80年代シンセ使い放題の「G-Roks」がヤバい

2016年09月24日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 かつて「KORG」の大きな看板が立っていた、聖地・下高井戸に君臨するスタジオ「G-Roks」。コルグ本社ビルを改装して造られた、プロもアマも使える、贅沢なスタジオです。

 今年春のリニューアルで、ヴィンテージキーボードばかりを揃えた「80's Room」が登場。常設機材として各種のシンセ、エレピ、オルガンが追加料金なしで使えるという、ほかのスタジオにはないユニークな設定です。

常設機材は次の通り。KORG Polysix、KORG M1、KORG Wavestation、YAMAHA DX7、Sequential Circuits Prophet-5、Sequential Circuits Prophet-600、Oberheim OB-Xa、Fender Rhodes Student Model、YAMAHA CP-80、KORG BX-3

 このスタジオのキーボードを使って、北園みなみさんが新作「On the Sunny Side Up Street」をレコーディングし、無料で公開しています。北園みなみさんというのは、かつてM.Kitasono名義でネットに作品を公開し始めた頃、ASCII.jpのインタビューに応えてくれた、あの方です。その後、当然のように各方面から注目を集め、今はレコード会社に所属するプロのミュージシャンとして活動されています。

 普段は全部の楽器を一人でやってしまう北園さんですが、今回のレコーディングでは、ギターに外園一馬さん、アルトサックスに武嶋聡さんというゲストプレイヤーを迎え、かなりゴージャスな仕上がりに。また、初めて80's Roomで触れるキーボードが多いため、シンセマニュピレーターとして小池実がさんが参加されています。その小池さんにレコーディングの様子と、80's Roomの機材について伺いました。

北園さんはほとんど全部使った

―― 小池さんはラジオを演奏する方としても知られていますが、まずシンセとの関り合いを教えてください。

小池 時系列で言いますと最初は短波ラジオだったんです。BFOの発振音がおもしろくて。その後にアナログシンセを買ってもらっていじってみたら「ああ、あの音か」って感じだったんですよね。

 モノシンセから和音が弾けるストリングスマシン、アナログポリ(友だちのを借りて)、デジタル、サンプリングって感じに、シンセの歴史のうち、最初のモジュラー以外はほぼリアルタイムで楽しみましたね。

※ Beat Frequency Oscillator 短波ラジオに内蔵されている発振器。アマチュア無線等の受信に使用

小池実さん。高円寺の円盤で今年7月1日に行なわれた「Ondomo」のお披露目イベントにコメンテーターとして出演。Ondomoは浅草電子楽器製作所の製造による、携帯可能な小型のオンド・マルトノです

―― このスタジオにあるシンセで家に持って帰るとしたらどれにしますか。

小池 う~ん、どうですかね……。RhodesとかCP-80はデカすぎ重すぎですからDX7ですね! ウチにあるのとデュアルで鳴らして遊びたいです。

―― 一番高いのはどれですか? 僕はそれにします。

小池 やっぱりProphet 5ですかね。ここのはRev.2っていうちょっとレアなヤツですからオススメですョ。

安定性や機能面で優れ生産台数の多いRev.3より音が良いという評判アリ

―― 北園さんはどれを、どんなパートで使いましたか。

小池 ほとんど全部使ったんですよ。バッキングはCP-80とRhodesとBX-3、ブラスはProphet 5、ベル系はWavestation、それと北園さんの曲によく出てくるマリンバとパンフルートはDX7でしたね。あとシンセベースとリードはPolysix。それと、FMっぽいエレピとストリングスはKRONOSです。バッキングとマリンバ以外の音は全部音作りしました。

 余談ですけど、北園さんの曲によく登場するパンフルートの音、てっきりPCMだと思ってたんです。ところがFMだって言うんですよね。当時のプリセットにはない音なんで、近そうな音からエディットしていつものパンフルートとはちょっと違った感じのを作ったんですけど、その時にエンジニアの方が「うわ、DX7で音作ってるよ……」ってボソッと言ってたのが妙に快感でしたね。

―― さすがです!

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