AWSのアップデートをまとめてチェック
Aurora強化、Auto Scaling for EC2 Spot Fleets、小島ロス
2016年09月08日 11時00分更新
「Section-9吉田真吾のAWS関連ブログまとめ」は、AWS関連の最新情報をまとめているSection-9 吉田真吾さんのブログ転載になります。今週は9月4日までのアップデートの振り返りです。
どうも、セクションナイン の 吉田真吾(@yoshidashingo)です。
ちょっと涼しくなってきましたね。気づけばもう秋です。
先週は小島ロスがあまりにもデカかったですが、個人的にもサーバーレスコミュニティを始めたり、JAWS-UG横浜のリブート計画を立てたりと、コミュニティについてあらためて考えることが多かったなと思いました。 JAWS-UG横浜支部は11月、12月に横浜のどこかで勉強会を開催したと思っているので、興味のある横浜近辺のエンジニアさんや会社さんで運営手伝ってくれたり、会場貸してくれるというところがあればご連絡いただきたいです。30〜60人くらいの規模を想定したいと思います。
それでは行ってみましょう。
AWS公式
1. Amazon Aurora 1.7で3つのアップデート
- Parallel Read Ahead
- テーブルスキャン時にメモリ上のデータベースキャッシュに並列で追加ページをプリフェッチを行うことで「レンジselect」「フルテーブルスキャン」「ALTER TABLE」「index作成」が従来比最大5倍に高速化
- Faster Index Build (現状はまだaurora_lab_mode)
- Indexツリーを構築するときにリーフノードを最初に作り必要な親ページを追加していく方法でリーフノードのデータ移動を軽減し、index追加やテーブル再構築が最大4倍高速になる
- NUMA-Aware Scheduling
- 2つのCPUがそれぞれ専用区画くアクセスするときは効率がよいが、他方へのアクセスを行うスケジューリングスレッドのジョブを効率よく扱えるようになった。
Amazon Auroraアップデート – Parallel Read Ahead, Faster Indexing, NUMA Awareness | Amazon Web Servicesブログ
2. CloudWatch Logs とダッシュボードを改善
ログの表示方法の改善、検索機能の改善、フルスクリーンモードやダークテーマを追加
CloudWatch Logs とダッシュボードを改善 | Amazon Web Services ブログ
3. AWSのコストや使用状況レポートをRedshiftやQuickSightにアップロードできるようになった
現状、以下の4層のコンセンサスのうち、Infrastructure as Codeのスコープは「Infrastructure Definition Tools」と「Server Configuration Tools」
- Redshift: S3に届いたHourly/DailyのリポートをSQLクエリをカスタマイズしてpsql接続してクエリを実行してRedshiftの新規テーブルへ、
- QuickSight: S3に届いたHourly/DailyのリポートのURLをコピーしてQuickSightのソースデータに指定してインポートしてグラフ化
- マネジメントコンソール上での操作や、コマンド作業が必要というのがいまいちなので改善を求めたい。
新発表 – Redshift や QuickSight で AWS のコストや使用状況レポートのアップロードが可能に | Amazon Web Services ブログ
4. AWS SDK for React Native (developer preview) リリース
- AWS SDKのReact Native(ネイティブアプリのフレームワーク)用がリリースされた
- 現在developer preview版なので扱えるリソースは「S3」「DynamoDB」「Lambda」「SNS」に限定されている
- ドキュメントのIssue立てたら超高速で修正されて取り込まれたので開発速度は速そう
5. Amazon RDS for Oracle が Oracle Enterprise Manager (OEM) Cloud Control をサポート
- 従来11gまででもOEMは使えていたが、今回Oracle Enterprise Manager Cloud Control for 12cで、Oracle Management AgentをDBにインストールしてエージェント経由でさまざまなデータが取れるようになった。
- Management AgentのportはOEMの1158ではなく3872
Amazon RDS for Oracle が Oracle Enterprise Manager (OEM) Cloud Control をサポート
6. New – Auto Scaling for EC2 Spot Fleets
- EC2 Spot FleetがAuto Scalingに対応したことで、ECSやSQSを用いて配下のEC2 Spot Fleetのワークロードが上がった場合に自動でスケールさせることができるようになった。
- 簡単に設定はできるが、アプリケーションを管理する側のサービスとの連携をどうやるか、詳細な基準などはドキュメントを参照する必要がありそうなので、別途エントリーで一気通貫でのセットアップ方法などを検証したい。
New – Auto Scaling for EC2 Spot Fleets | AWS Blog
7. Amazon Cognito Adds a User Import Tool and AWS CloudTrail Support for Your User Pools
- Amazon Cognito User Pools がユーザーリストをCSVでインポートできる機能を追加。
- Amazon CognitoのAPI履歴をCloudTrailがロギングするようになった。
Amazon Cognito Adds a User Import Tool and AWS CloudTrail Support for Your User Pools
AWS関連
8. JAWS-UG生みの親小島さんがAWSJを退職
- 6年9ヶ月AWSJに在籍し、コミュニティマーケティングの第一人者としてJAWS-UGをここまで大きくした立役者である小島さんが退職。
- 本人曰く「JAWS-UGはすでに自走している」からもう大丈夫なんだそうだがこちらとして寂しいものは寂しい。
- そういえばすだちくん勉強会で「早いものが遅いものに勝つ」という話をしてたのが非常に響いた。時間をかけても精度を上げられる確証がないことは多い(全部がそうだとは言わないが)が、スピードは確実に早いか遅いか計測可能なのでスピードにこだわる意識が大事。
AWS卒業の小島英揮さんがJAWS-UGの舞台裏を語り尽くす
その他
9. 伊藤直也の1人CTO Night
- 第1部は「開発組織マネジメントのコツ」について直也さんからプレゼン:マネジメント→正しい問題にフォーカスさせる。チームでラーニングしたことが組織に蓄積する構造。リフレーミング。信頼を勝ち取る。などなど金言多数。
- 第2部は玉川さんとパネルディスカッション。ROI見て開発するとリファクタリングする猶予がない話。採用はブログや有名人よりまず職務規定書。信頼は地道に積み重ねるしかない。などこちらも金言多数。
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